キーワード 寿命

お人好しで遅れる医療

最近はブログを見て来院される方は多い。今受けている医療に何となく不都合や不満があるのであろう。人によっては、「よくこれだけ我慢されましたね。」と言いたくなる方もいる。そういう方達の特徴はただ一つ、お人好しである。「この先生にお世話になったから・・・。」「もう少し信じてみよう。」「あそこの病院は混んでいるから・・・。」と治療効果が出ていないのに通い続ける。先日、我が家の猫が連日吐いて、グッタリしたの…

「何もしていないのに・・・。」と言う方へ

仕事柄、「○○がこんなに悪くなっています。何をしたのですか?」と聞くと、「何もしていないのに・・・。」という答えがよく返ってくる。 ご本人は何もしていないかもしれないが、身体の中では凄いことが起こっていて、その一部を紹介したい。 まず細胞には寿命があって、壊しながら新しいものを作っいく。 赤血球の寿命は約120日間。 胃粘膜構成細胞の平均寿命は,表層上皮細胞が2-3日、幽門腺細胞が14-20日。 …

鎮痛剤を1回に6錠日に3回、飲んでも治まらない頭痛とぎっくり腰

久々に凄い人が来た。主訴はぎっくり腰なのだが、身体を触りながらあまりに強い身体なので、「他にも何か具合の悪い所があるでしょう?」と聞いたら、「頭痛が長い。昔は2錠市販のを飲んで良くなったが、最近は錠数が増え6錠一辺に飲まないと駄目。それも日に3回。市販の鎮痛剤がすぐなくなる。」「噛み合わせか鼻炎は?」「両方ある。噛み合わせは酷く歯が割れる。歯医者に『病巣感染の治療をしなくてはならない。』と言われて…

「大丈夫」という意味

常連さんが主治医に対して少し文句かあるという。 何かと思って話を聞いてみたら、「うちの先生、どんな時も『大丈夫』しか言わない。この間私が胃潰瘍をやった時も、『大丈夫』、脚の手術の時も、『大丈夫』、血液で少しおかしな事になった時も『大丈夫』、がん患者にも『大丈夫』で何とも頼りないというかいい加減というか少し不満。」と言う。 この大丈夫という言葉だが、前に少し正確な言葉の意味を足せば問題ないと思う。 …

認知症と口腔ケア

先日学会に出ていたら認知症専門の長谷川嘉哉先生が、「認知症の薬はことごとくうまくいかない。製薬会社が撤退している。治せないなら少しでも悪化させないようにどうしたら良いか色々とやったら、口腔ケアが一番良かった。」と発表されていた。この先生は自分のクリニックに歯科専用の椅子を置き、歯科衛生士が患者を診ている。また別の先生は「これからは医科と歯科が連携して認知症、糖尿病に治療に当たることが一番大事である…

病気の数値化について

長年仕事をしていると、感覚器の異常を訴えてくる方がいる。 そういう方に限って殆ど検査をしていない。 また検査があることを知らない。 例えば鞭打ちの後遺症などで匂いがわからなかったり味を感じない場合、今は嗅覚検査や味覚検査がある。 昔なら臭いがわからず腐ったもの平気で人に出したり食べたり、お茶とコーヒーの区別がつかなかったり、味がわからず何を食べても砂を噛むように感じたり、患者の主観しか判断方法がな…

食欲を抑えるコツ-2

過食が止まらず困っている方が時々来る。そういう方達の特徴は仕事が終わってまずビール、辛いものや脂っこい物が大好き、気がつくとお腹がはち切れんばかりになっている。お酒や辛いものはすべて食欲増進剤。だから食欲増進剤を飲みながら食べ過ぎと言っていることになる。そういう方にはまず食前にコップ2杯の水を飲むことを勧めている。飲むと少し胃が重くなり、食欲が落ちる。次にサルやオラウータンの話をする。人間が進化し…

屍は師なり

この言葉を教えてくださったのは元慈恵会医科大学、加藤征教授です。今から30年近く前に私自身、治療法に行き詰まり何から手をつけていいか分からないときに師匠から、「物事を極めるには原書から」と教えて戴き、自分の仕事の原書は解剖だと気がつき、東京中の医学部に電話をして解剖を勉強させて欲しいとお願いしましたが、ことごとく断られました。最後にたまたま慈恵会医科大学にすがるように電話をしたときに、「う~ん、勉…

圧迫骨折について

常連さんの女性が、「親戚から連絡で妻が圧迫骨折をして緊急入院をした。」と言う。常連さんも焦って、これは他人事ではないし、さぞかし大変なことが起こったのだと思ったという。しかし我々から見ると圧迫骨折はどうも言葉が一人歩きしている感じがある。「人間の身体を支える大黒柱が折れた。」「背骨がつぶれて機能しなくなった。」「神経を圧迫して寝たきりになってしまう。」などのイメージがあるらしい。確かにそういう一面…

健康増進法

先日、テレビで池上彰さんの番組を観ていたら、「健康維持を国民の義務とする」ということを言っていて、調べてみたら健康増進法に国民の責務として、第二条 「国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。」と書かれていた。 これは知らなかった。 背景には高齢化やメタボなど医療費の増大に伴い、健康寿命を延ばそうとし…

腹八分について

昔の方は「腹八分」といういい言葉を残してくれた。しかしよく考えると昔人生50年だった頃はそれで良かったが、今みたいに30年も寿命が延びると80才になっても腹八分というのは少し食べ過ぎだと思う。亡くなられた聖路加病院の日野原先生も晩年、「10才年をとるごとに一分落としなさい。70代で七分、80代で六分、90代で五分・・・。」というような事を言っておられた。しかし患者さんに腹八分と言うと九分五厘食べて…

還暦を越えた女性の考え方

仕事柄、還暦を越えた女性は多い。 特に65才を超えるとご主人の仕事もなくなり、出てくる言葉は老後のことばかりである。 「主人があと15年生きたとして、その後は○○をしよう。」 「主人を送ればこの家に住む必要はないから、実家に戻ろう。」 なぜか話の前提がご主人が亡くなってからである。 同じ内容のことを言う方があまりに多いので、この年代の女性はそこが最大の関心事なのだろうと推測がつく。 すごい方になる…

心配性のご婦人

うちのお袋もそうだが、年配女性で心配性の方は多い。よく話を聞いてみると心配だ心配だと言いながら、しゃべり続けて安心しているので心配するなと言う方が本人の身体に悪い。好きなだけ心配すればいいと思ってしまう。先日来た方も自分の身体やご主人、子供や孫のことまで、心配のオンパレードである。家族のことはともかく身体に関しては下記のような話をした。 「健康診断で指摘されたことを守れば寿命が延びると思っている方…

犬の老人ホーム

今は30代で未婚率が50%で子供は少なく、ペットの方が数は多いという。昔ならペットは長くても15年ぐらいだったが、今は25年生きる犬猫がいるという。日本人がこれだけがんにかかると長寿を全うできず、ペットが残されることがよくあると聞く。そういう場合犬の老人ホーム、老犬介護の施設がもう出来ているという。それも年間35万円かかり、予約待ちだという。うちにも猫がいるが、あと10年ぐらい生きると我々が70才…

高血圧・糖尿病・腎臓病と生き方

以前、安保徹先生から教えて戴いた事で書いたが、過酷な生き方で病気になる。高血圧や糖尿病があり、血管を痛め続けると腎臓を痛めやすい。理由は心臓からの血液は大きな圧力で直接腎臓に行くので、腎臓の細い血管に負担がかかるからである。そんな持病を持った方が、仕事で責任感が強く真面目だと常に交感神経優位になり、益々病気を促進してしまう。安保先生も、「突然なる腎臓病は過酷な生き方が原因。」と教えて下さったが、腎…

生きてるだけでボロ儲け

さんまさんではないが、「生きてるだけでボロ儲け」は名言である。ある先生が、「最近幸福感がない。」とぼやいた。確かに難しい仕事なので常に問題を抱え、大変なのはわかるが少し視点を変えると違うものが見えてくる。「では先生聞きますが、朝に目が覚めるのは普通ではありませんよ。脳や心臓の血管の病気や寿命を宣告された方、高齢の方などは目が開くかなぁと思って毎日生きています。その後ベッドから起き上がれない方も多い…

医療費問題を考える

あまり大きな話をするつもりはないが、これだけ医療費がかかり続けると少し色々と言いたくなる。まず私が取り組んでいる、Bi-Digital O-Ring Test、EAT(Bスポット療法)、筋膜リリース(ファシアリリース)とどれを取っても殆どお金がかからないわりに効果が高い。まずBi-Digital O-Ring Testであるが、多少の技術の熟練は必要であるが、眼に見えない病気の根源やがんの初期、薬…

手術術式の悩み所

最近は脊柱管狭窄症の手術も以前より低侵襲(あまり体を開けない)で出来る。しかし手術の術式によっては患者さんが悩む場合がある。医者から「○○の術式でやると簡単ですぐ退院できるが、5年ぐらいしかもたず再手術になる方が多い。○○の術式なら背骨を開けて中を削り金属固定するが15年は持つ。どちらにしますか?」患者は悩んでしまう。以前75才の男性で股関節の手術をする時に医者から、「この保険の人工骨は8年で寿命…

人生を幸せにするのは何?

ロバート・ウォールディンガー 人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から引用抜粋 一生を通して私たちを 健康で幸福にしてくれるのは何でしょう? ハーバード成人発達研究は史上最も長期に渡って成人を追跡した研究です。 この様な研究は非常に稀です。 これから分かった事は彼らの人生から得た何万ページにもなる情報から分かった事は何でしょう? それは富でも名声でも無我夢中で働く事でもなく75年に渡…

ライオンタイプと完治

ライオンタイプは筋肉の質はいいし、我慢強いし、回復力も優れている。小鳥タイプに比べて極端に通院が少ないのでカルテが薄い。軽い腰痛なら殆ど1回で治癒する。非常に少ない回数で治ることを本人も知っているので、腰痛治療で3回目ともなると、「今回はどうして1回で治らない?」と言われてしまう。そんなライオンタイプだが、マラソンをやっている方などで走り方を変えると、今まで使ったことのない筋肉を極端に使うので治療…