キーワード 膝痛

膝痛の苦い思い出

数年前に群馬県から膝痛の方が通ってきていた。診た感じはそんなにひどくなく、良くなると思って治療したが、まったくと言っていいぐらい効いていない。こちらもあの手この手と数種類のやり方を試したが、とにかく痛みが取れない。段々打つ手がなくなり、患者さんにお詫び方々、お手上げ宣言をした。それから数ヶ月して別の症状で来られた。こちらは気になって、 「あの膝はどうしました?」 「今は痛みは取れています。」 「何…

膝痛で揉んではいけない内転筋

飲食関係の方が膝を痛めたという。当院との予約時間が合わず、中々治療できない。仕事も休めないので、仕方がないから通える範囲でよその治療院で診てもらうといいという話をした。よそで治療を受けた後に来て、「内転筋を揉んでもらったら膝痛が酷くなってしまった。」という。担当した先生は、「あなたは内転筋が硬いからほぐさないと良くならない。」と言って、ガンガン揉んだという。その後から酷くなって、慌ててやってきた。…

人に騒がれると治りにくい膝痛

飲食関係の方が膝を痛めたという。お膳を運んだりしていると、どうしてもお客さんに、「足どうしたの?」と言われてしまう。皆が心配してくれるのは有り難いのだが、実は困っているという。話を聞くと、「加圧トレーニングが1番いい。」「スポーツジムに一緒に行こう」「このサポーターを巻くといい。」「この薬は膝に効く。」「いい医者を知っている。」「何処何処の院長に頼んであげる。」とあまりに言われるので断りにくいとい…

場所毎にやることが違う膝痛

1年ぶりできた患者さんがここ半年ぐらい左膝が痛いという。調べてみると面白い事がわかった。まず痛い左膝の太腿は硬い。これは膝を治療してこなかったことを意味する。反対側の太腿は筋力がない。これは使わなかったことを意味する。脛は両側硬い。これはよく歩いたことを意味する。結局場所毎に治療法が変わる。筋力がないところは鍛え、硬いところは治療して、よく使ったところはほぐす。なぜこういう事が起こったかは簡単であ…

膝痛と左右の太腿

仕事柄、膝痛の方はよく来る。左膝が痛い場合、初めのうちは左太腿前面をほぐせばいいが、時間が経つと右の太腿までおかしくなってくる。今まで何度も「身体の中の父ちゃん母ちゃん」の話はしている通りで反対側までチェックしないとなかなか治癒までいかない。膝痛の支配権を大腿四頭筋(太腿の前面)が持っているのて太腿の治療をしない限り、膝は良くならない。交通事故や余程の激しい運動などがない限り、膝の靱帯や半月板を痛…

膝総まとめ

膝痛に関してはいくつか苦い思い出がある。まずは病院でリハをしていたときに、2ヶ月間何をやっても膝の痛みが取れない患者がいた。あまりに取れないので、詳しく診たら微妙に膝に熱を持っている。それ以外問題がないので、氷で徹底的に冷やしたら見事に痛みが取れた。「膝に熱があると痛みは取れない」と学んだ。また地方から来た患者で何をやっても痛みが取れない方もいた。その後来なくなり、数ヶ月後に別件で来たときに、「あ…

このままいって年を取ったらどうなっちゃうのだろう?

40-60代の方で、「今はこんなに腰痛が酷く、今後年を取ったらどこまで酷くなっちゃうのだろう?」という不安を訴えてくる方は多い。答えから言うと、「心配無用」である。うちの患者で1番長い方はもう40年以上治療している。誰一人として若い頃より悪化した方はいない。理由は簡単で、若い頃の肩こりや腰痛は無理をしているから起こるのである。膝痛もそうである。そういう痛みを抱えている方は、「もっと無理をしよう」と…

ブログ諺⑥-胃から崩れる

こういう仕事をしていると色々な病気の方は、病気毎に身体の中で起こっていることが皆違うと考えていましたが、意外とそうではありませんでした。 身体はまず、「胃から崩れる」のです。 胃が壊れるので腸の不具合が起こり腹圧が上がり、足に血が行きにくくなり腰が痛くなります。 腸の働きが不十分なので、免疫系は下がり感染を起こしやすくなります。 また腹圧が上がると横隔膜が上に上がり心臓のスペースが狭くなるので、心…

ブログランキング5位~9位

ではブログランキングの続きを書いてみたい。 5位 歯を治すと扉が押せる話(鞭打ちの後遺症のツボ) 6位 スタマックライン 7位 首のゆがみとマウスピース 8位 胸骨のゆがみ(胸の真ん中の痛み) 9位 胃薬について まず5位の「歯を治すと扉が押せる話(鞭打ちの後遺症のツボ)」であるが、病院勤務時代に救急外来にいたので、交通事故で鞭打ちの方はよく来た。こちらがリハをやっていると、ある時腕の外側の硬い方…

ブログランキング30位~34位

ではブログランキングの続きを書いてみたい。 30位 砂糖は麻薬 31位 季節の治療 32位 首の横が硬くなる理由 33位 病気ドミノ倒し 34位 足の爪治療 まず30位の「砂糖は麻薬」だが、麻薬という言い方をすると患者は、「そうですよね、甘い物はやめられないですものね・・・」と言う。こちらは本当に覚醒剤と同じで麻薬と言っているのだが、中々真意が伝わらない。甘い物の要求というのは何年やめていても、す…

苦手意識

病院勤務時代に膝痛の患者が続き、治せなくて困った時があった。こちらが、「膝は治せないからやだなぁ」と思うと、次の患者が膝痛。「またかぁ」と思いながらやはり治せない。膝の患者ばかり気にしているから、(実際は全患者の数%ぐらいしか膝痛はいない)こちらが意識すればするほど、膝痛の患者ばかりに目につく。「何で膝痛ばかり来る・・・」という気持ちになってしまう。治せる患者はいくら来ても何とも思わないから、心に…

黒い膝サポーターとズボンの色

膝痛の方にはサポーターをよく薦めている。 サポーターの色は黒だから、目立つように白いズボンを履きなさいといっているが、女性は中々履かない。 こちらにしたら、「包帯でも杖でもつけているだけで『あ、あの人、足が悪い』とわかるから、身を守れる。」と言っているのに、いかにサポーターを目立たせないかばかりに気持ちが動く。 この心理がどこから来るのか考えた。 おそらく、化粧でも洋服でも、「いかに欠点を隠すか」…

比べると大したことはない

膝痛の常連さんが、「通ってもすぐまた痛くなる」とぼやく。気持ちは分かるが、しかしよく考えると膝痛で良かったと思ってしまう。例えば「食べられないのと膝痛はどちらがいいですか?」と聞かれれば、殆どの方は「膝痛」と言うだろう。「お通じがないのと膝痛は?」と聞けば、やはり「膝痛」と言うだろう。「頭痛と膝痛は?」と聞けばおそらく、「膝痛」であろう。確かに膝は痛いかもしれないが、胃腸がちゃんと動き、ご飯も美味…

将来の腰痛を見越して

腰痛の常連さんに、「貴方の腰は前弯が強く、骨盤が傾いている。こういう方は立ったり座ったりを嫌がる。仕事でしなければならないのはわかるから、今のうちに腰と股関節のレントゲンを撮っておきなさい。3年5年10年後に今と比べて何処がどれだけ悪くなったかがわかれば、医者は簡単に治療できるから。」と伝えたら、「今そんなにひどくなくても行くのですか?」と聞くので、「酷くなってからだと何処がどれだけ悪いのかが判定…

私の一体何が間違っていたのでしょうか?

いつも五十肩の治療をしている常連さんが、珍しく腰が重いという。話を聞いても腰に悪い事は何もしていないという。詳しく調べたら大腿四頭筋が相当硬い。それももうかなり時間が経っていることがすぐにわかった。何をしているのか聞いたら、「ジムでステッパーを真面目に踏んでいる」と言う。この大腿四頭筋は以前から自覚が出ないと言っている。普通は大腿四頭筋に負担がかかるのは、「坂を登る」「自転車」「サッカー」などだが…

全て施主様の言う通り

例えば台所を少し治してもらおうと大工さんに、「ここに棚をつけて」と言ったら大工さんが、「そこにつけるのはバランスが悪い。こっちにつけた方が格好が良いし、いい仕事が出来そうだ。」と言ったら何と言うだろうか?「いやいやここに棚が欲しい。」と言うのではないだろうか。我々の仕事で言えば膝痛で来た方が、「膝は痛いかもしれないが腰を調整したい。貴方の腰はやりがいがあるから・・・」と言って、腰ばかりいじり、膝を…

何処に行って何をやったらいいか分からない

最近は何故か酷い膝痛の方が多い。 ちゃんと病院で診てもらっても治療がうまくいかず、紹介やブログで来る。 そういう方の場合、殆どが膝の周りの環境が悪い。 太腿や脛が硬かったり、患部に熱を持っていたり、足首が不安定だったり、股関節に負担がかかったり・・・。 そういう場合はまず患部に注射を打っても効かない。 しかし周りの環境を整えた上で、患部に治療をすると実に上手くいく。 治療は、「何処に行って何をやっ…

ヒアルロン酸注射について

膝痛の人がよく整形外科で、ヒアルロン酸注射を打っている。ヒアルロン酸は粘性が高く関節内に注射をするのだが、ヒアルロン酸自体に「関節の動きをよくする」「炎症を鎮める」「軟骨を保護する」という作用がある。患者を診ていて何となく打っている方の方が膝痛の調子がいいように感じるが、おそらくそれには理由があると思う。ヒアルロン酸の作用だけでなく、まず注射を打つために病院に行く。余り膝が痛いとヒアルロン酸の効果…

テニス肘の治らない原因はお酒

紹介で来たテニス肘の方は右肘のみならず、足底腱膜炎、膝痛、肩の痛み、腰までまるでドミノを倒したかのように全て右側が痛いという。問診で話を聞いただけで、「父ちゃん母ちゃん」が思い浮かんだ。おそらく反対側の左側がかなりダメで右側が騒いでいるだけ。試しに左の小指を診たら相当痛がる。これはもう、痛くない左側の器がいっぱいという事がすぐにわかった。試しに右側の指を触ったら、左ほどではないと言う。こうなると父…

痛みの原因は「関節内」「関節外」

前回、腰椎椎間板ヘルニアの手術した後で痛みが出た方の話を書いたが、患者さんから、「ヘルニア内?ヘルニア外?」と少しわかりにくかったみたいなので、膝を題材に少し話をしたい。膝痛の方はよく来るが、まず痛みの原因が「膝関節内」「膝関節外」かで分ける。「関節内」なら、半月板か軟骨、靱帯が問題で、「関節外」なら周辺の筋肉、神経、血管、扁平足なとが原因になる。よく患者さんが、「MRIを撮ったけど関節自体は何も…