キーワード 腹圧

腰椎圧迫骨折と胃炎

腰椎圧迫骨折後、胃炎が治らないという方が来た。以前から「リハビリ難民」に関しては書いているが、数週間の入院後、レントゲンで問題がなければ例え圧迫骨折でも病院から出されてしまう。我々から診るとそこからリハをして、機能回復させる必要があると思っているが、病院の都合もあり中々そうはいかない。そんな状態が長く続けば痛めた腰をかばおうと背中が硬くなり、その影響で胃の機能低下が起こる。そんな状態でいくら胃薬を…

明日は接待ゴルフなのにぎっくり腰

日曜日に接待ゴルフで土曜日の午後にちょっとした植木や家具を動かすと、ぎっくり腰をやってしまう。いつもかかっている先生に治療を受けられれば良いが、かかれないケースもある。そんな時に対処法をいくつか紹介したい。まずはぎっくり腰は腰の筋膜炎なので、冷湿布で痛い腰を冷やす。次に食事を止める。ぎっくり腰の原因のいくつかが胃腸炎から来るので、食べて腹圧を上げると腹筋が働かず、余計に腰に負担がかかる。次にお風呂…

煙に巻く

慢性病の方は多い。 肩はこり、心臓は苦しい、胃の調子は悪いし、腹圧も高い、腰はだるいし、足はシビれる。 何処から治療したらいいのか、病気の犯人を捜そうにも色々とありすぎて、何処か一ヶ所だけ治療してもうまくいきそうにない。 そして辛い症状が続いている。 そんな時はのらりくらりと、煙に巻く治療がいい。 腰が辛いと言われれば腰を重点的に治療し、胃腸が悪いと言われればお腹を揉み、患者さんの言われるままに治…

胆嚢と甘い物

仕事でストレスがかかった方が右脇腹がおかしいという。本来なら病院で超音波をしてもらい所だが、本人は肋間神経痛かも知れないので診て欲しいという。身体を診たら心臓、膵臓に異常部位が集中している。「相当なストレスだったのでしょう。」と言ったら、「かなりなものです。」と言う。ストレスは末端に出るので脛など治療しても全く反応しない。心臓の反応も強い。胃を診たら腹圧は高いし、スタマックラインの反応も強い。何処…

休息と甘い物

80代の女性が母の葬儀のあと介護がなくなり、最近腰が痛いという。調べてみると腹圧が異常に高い。動かなくなっても食欲は普通は落ちない。胃腸も筋肉だから身体を動かして血流が良いときは働くが、居間でゴロゴロしながら甘いものを食べ過ぎれば腹圧が上がる。「軽い断食でもしたらどうですか?」と言ったら、「絶対にいやだ。」と言う。「今どんな食生活をしているのか?」と聞いたら、「朝4時に起きてまずお菓子、6時から朝…

坐骨神経痛とぽっこりお腹

若い女性で坐骨神経痛の方が来た。色々と調べてみると胃腸がほとんど機能していない。腹圧が高くそれが原因で、坐骨神経痛を起こしていた。本人は食事に気をつけているつもりだが、内容を聞いてみると、「健康のために野菜と果物、納豆。腸のためにオリゴ糖。」という。以前から野菜は胃腸に負担をかける事を書いているが、野菜で健康になると思っている方は多い。野菜の繊維は消化できないので、腸の掃除にはいいが、胃が楽に消化…

6つの条件が重なって救急車騒ぎ

印刷屋さんが先日、救急車で運ばれたという。話を聞いてみると立ちくらみに眩暈(めまい)、目がかすんでよく見えなくなってきて、救急車を呼んだという。病院では大きな問題が見つからずすぐに帰されたが、原因らしきものが幾つもある。良くこれだけ悪条件が揃ったとビックリしてしまった。昔から病気は一つの原因で起こるのではなく、複数の原因が重なって起こるとよく言っていたが、今回はその典型例である。 救急車に乗るまえ…

歯列矯正とセロトニン、抗真菌剤の話

以前から治療している小鳥タイプの方が、ここ数ヶ月なぜか調子が悪いという。食欲はあるし、精神面も問題がないのに理由がわからないという。詳しく問診してみると去年から歯列矯正を始めたという。お腹を触ると胃と腸がかなり硬い。歯列矯正で多少の痛みもあり、よく噛めないことがわかった。良く噛まないで胃にものを送れば胃は怒る。怒った胃が腸にいい状態で物を送れるわけがない。結局腹圧が上がり、その影響で腰は治らなかっ…

脛が硬くなる4つの理由

少ししのぎやすくなると夏の定番の方が減る。 中には浮腫もないのに脛を触ると、痛がる方が結構いる。 今回は脛が硬くなる4つの理由を話したい。 1.歩きすぎ 脛の筋肉が足首の内側を通り、足底まで着いている。 長時間の歩行により、筋肉を酷使し硬くなる。 2.ストレス 仕事や人間関係でストレスを受けた場合、交感神経が心臓の血管を締める。 そして末端の血行が悪くなる。 具体的には肘下と膝下。 心臓にしてみれ…

身体の壊れ方と健康維持

長年仕事をしていると人の身体の壊れ方が皆同じだと気がついた。 長い方では30年以上治療しているので、老化の様子が手に取るようにわかる。 40才で治療開始してもう70才を超えている方もいる。 以前、男の38才説でも書いたが身体は体重の増加と共に腹圧が上がり、腰に対して負担増となり坐骨神経痛が起こる。 お腹が出て、太腿が細くなり、体型的にぽっちゃりしてくる。 内臓も下垂気味になり、下腹ばかり目立つ。 …

座り心地の悪い椅子がお薦め

この季節、夏の定番の症状の方が多い。 「冷たい物取り過ぎ」「エアコン」「足の冷えと浮腫」「左腰痛」「喉を痛める」 腰痛も酷くなるとぎっくり腰で来る。 ぎっくり腰は軽ければ足の治療で良くなる。 次はお腹を揉む。 次は患部を氷で冷やす。 次は鍼。 それでもダメなら骨盤ベルト。 最終的にはさらしで固定。 段々と治療のレベルが上がってくる。 特に中年男性のぎっくり腰の場合は、原因が皆同じである。 朝起きて…

便移植

腸に関しては乳酸菌を始め、食品チェック、排便、腹圧の話など色々としてきました。 「便移植」と聞くとちょっと気持ち悪いと感じるかもしれませんが、健康な人の腸内細菌を患者に移植し、腸内細菌の勢力を塗り替えてしまおうとする治療法があります。 抗生剤などの多用で耐性菌を持った腸や潰瘍性大腸炎など中々効果的な治療方がない患者さんに有効と分かりました。 治療に際しては必要な菌だけ選別するといいのでしょうが、実…

坐骨神経痛治療の決定打

この時期、坐骨神経痛の方はよく診ます。 最近数人かなりひどい方がきて、これこそ「坐骨神経痛治療の決定打」というものを掴みましたのでお伝えします。 昔、坐骨神経痛の勉強をしていたときに、おおよそ8回の治療で治まると書いてありました。 臨床でやってみると確かに正確な数字で、殆どの方が8回以内の治療で治まります。 しかし医者が手術を検討している腰椎椎間板ヘルニアのひどい方や、坐骨神経の炎症がひどい方など…

身体の中の3つのセンサー

仕事をしていると、痛みのひどい人などこんな事になるとは思わなかったとよく聞く。 我慢強いのは結構だが、そういう方を診ていると身体にセンサーがあるのかと疑ってしまう。 では身体にどんなセンサーがあればいいのだろうか? 私は3つセンサーが必要だと思う。 まず第1に筋肉や関節のセンサー。 腰が痛いとか、肩関節が動かないとか、背中が張ってきたとか・・・。 これはわかりやすいと思う。 第2に腸のセンサー。 …

空腹の薦め

「空腹」が人を健康にする(南雲吉則先生著)が売れているという。 興味を持って読んでみたら、1日1食で空腹を薦めている。 全くもって同感である。 私自身が現在、1.5食である。 昼はもりそばのみ。夜はサラダと豆腐と魚程度。少々晩酌。 白米は食べず、刺身に醤油はつけない。刺激物も取らない。 おそらく私の食生活を見て、お気の毒と言われる方も多いのではないだろうか。 以前、脊柱管狭窄症のひどい方を治療した…

按腹について

この時期、食べ過ぎの方も多いと思います。 少し専門的になりますが、按腹(あんぷく)の話をします。 按腹とはお腹のマッサージです。 江戸時代には冷蔵庫はなかったので、お腹を壊した方は多かったと想像されます。 当時のあん摩さんがお腹をよく揉んでいたことがわかる挿し絵が文献で残っています。 我々も治療で按腹をしますが、難しい腰痛の方には必ずおこなっています。 腰や脚を治療して腰痛が楽になる方はいいですが…

母なるリハビリについて

最近、アキレス腱や膝の手術をした後、リハビリを十分しないために、坐骨神経痛が起こってしまった患者が続いた。 私が病院勤務の頃は救急指定だと大体、脳卒中か交通事故の患者がほとんどなので、リハビリはかかせない。 しかし最近はリハビリをやっていない病院が増えた。 場所も取る、人手もいる、時間はかかる、保険の点数は高くないと病院の経営にはマイナスだ。 手術をして退院となると治療はそれでおしまいと思ってしま…

腸と体調

よく体調がいいとか悪いとか言うが、何処を治療すればもっと良くなるのだろうか? 心臓などの持病がある方は勿論悪いところを治療すればよいのだが、特に検査で何もひっかからない方達はどうすればいいのだろうか。長年の経験から「腸」がポイントだと言える。ある野球選手は朝目覚めるとトイレでスッキリすること以外は考えないという。前の晩遅くまで飲んでいて、お通じが良くないと試合に負けるという。ある作曲家はお通じがい…

「老い」のパターン

100才のおばあちゃんを送った方が、今度は自分が具合悪いという。おばあちゃんの面倒を見ていた時は、腰や膝が痛いなどとあまり言わなかったが、久しぶりに治療を受けに来てあっちもこっちも痛いという。詳しく調べるとまず太腿が細くなっている。介護疲れであろうが、これでは膝が痛くなってしまう。次に脛が硬くなっている。これは膝の痛みとストレスであろう。そうなると足首が硬くなる。そして坐骨神経痛、腰痛と起こる。こ…

坐骨神経痛

目安は8回 カルテを調べると多くの方が8回以内で終わっている。治療経過の中で良くなったり、悪化したりがあるので、こ ちらとしては長い道のりに感じるが、統計を取るとほとんどの方が、その範囲内でおさまっているので驚いた。だから最近は坐骨神経痛の方には、8回の治療で ほぼおさまる旨を初めに伝えている。8回と言っても週に1度治療して2ヶ月かかる。8日間続けてやれば治るのかと聞かれるが、1回治療して体の反応…