封じ込めと反乱

以前にウィルスの戦略論で書いたが、中々目に見えない菌やウィルスとは闘いにくい。薬が効けばいいが、必ず効くとは限らない。身体には2人いて「身体の本音」が時として暴れることがある。本当は安静を身体の本音が願っているのに、薬や滋養強壮剤で働かされると、普段は黙っている身体の本音が牙を牙を剥く。体の反乱である。身体の本音君にしてみたら、「今まで黙っていたけど、こんなに無理をさせられて休みもなく又仕事?いい加減にして欲しい。」と本人にわかって欲しくて症状を際限なく出す。本人は何でこんな症状が出ているのかわからないから、取り敢えず治療はするがなかなか治らない。そんな時に身体を触ると筋肉がザワザワしている。これは我々の指の感覚なので何と表現していいか分からないが、極めて落ち着きのない状態に筋肉がなっている。そういう体験を何度かするとつい身体の本音君の見方をしてしまう。「この間レースで色々と大変だったけど、今度のレースも大事。真面目に通うから、何とかして。」と患者さんに言われても、「身体の本音君は前回のレースの疲れもまだ2割しか回復していない。神経も興奮してこんな状態で仕事だからとはいえ、また走るの?無理に決まっているじゃない。」と身体君の本音を言ってしまう。身体から反乱が起こらないようにコントロールするのも仕事のうちである。