身体が痛みを出す必要性

常連さんが膝痛で少し長引いていたが、取り敢えず治ったという。「もうこれで当分大丈夫ですよね。」と言うから、「身体は必要があって痛みを出しているのです。悪条件が揃い、無理をすればいくらでも出ます。あなたの膝は治ったのではなく、身体が痛みを出さなくてもいいと判断しただけです。必要に応じていつでも痛みは出します。」「え、そうなんですか。出さなくてもいいのに・・・。」以前から身体の中の2人と言っていますが、年を取ったから痛みを出しているのではありません。関節の変形もそうですが、長く使ったから痛みを出しているのではありません。本人にわかって欲しいから痛みを出しているのです。身体の中の2人とは「本人の気持ち」と「身体の本音」ですが、「身体の本音」が「本人」に気がついて欲しいだけです。だから関節痛でも胃炎でも「身体の本音」が納得した途端に痛みがなくなることがよくあります。炎症や発熱、患部に腫れがあっても痛くないという事が起こるのです。だから1度痛めて例えその後痛みが長引いたとしても、2度目には嘘のように早く痛みが鎮まることがあります。「身体の本音」とはまるで生き物のように「わかってくれれば痛みを出さなくてもいいか。」と言っています。 そこがわかると治療が楽で、身体の中に敵がいるような感じで戦い続けたら、「身体の本音」は絶対に負けません。どんな手を使っても本人を説き伏せます。そこまでやるかという手を使います。自律神経を狂わせ、出血をさせ、手足を動かなくし、鬱病ややる気をなくさせ、内臓の機能低下はお手の物です。心臓の拍動や血糖値などは簡単におかしくなります。ホルモンまで影響が出たら大変です。仕事や色々な問題で身体に負担をかけている方は自分の心を維持するのも大変でしょうが、まずは「身体の本音」に従い、身体のお怒りを鎮めてから色々な行動をすると経過が良いです。仕事柄人の身体を診ながら、「身体が○○と怒っていますよ。」と通訳をしていますが、時には患者さんは黙って聞いています。どうも私の通訳に反論がないようです。具合の悪いときほど外に目を向けるのではなく、内省して身体のお怒りを沈めのが一番始めにやることです。