全部側弯が悪い?
今日来た側弯症の方は子供の頃から一時期装具をつけたり、手術の話も出たという。背骨を診ると確かに曲がっているが、だからといって身体に出ている症状の全てが側弯症が原因ということはない。側弯症は大体殆どが女性で小学校高学年ぐらいから指摘され、曲がっている角度が15度以内だと経過観察、25度以上だと手術も検討される。当院にも今まで多くの側弯症が来たが、意外と日常生活に困らないものである。そういう方達には必ず2つの事を伝えている。「7掛けで生きる」「根を詰めない」である。突然腰や足が痛くなると、「側弯症だから・・・」と必ず言うが、筋肉だけ治療しても良くなるので、側弯が絡んでいるとは言いにくい。側弯症は実はあまり関係ないものである。もし側弯症に口があれば、「何でもかんでも私のせいにして良い迷惑。そんなに身体に悪い事はしていない。長年かけて調整しながらあなたと共に生きてきたのだから・・・。」と言うだろう。側弯症だから何か特別な事が起こるわけではない。人の身体は形がとても大事で、側弯で形が変わる事で臓器の容積が変わる。それにより、多少の機能不全が起こるだけである。「7掛けで生きる」「根を詰めない」その範囲で十分幸福に過ごせるのである。極論を言えば「側弯症の事は忘れて良い」と言ってもいいぐらいである。