全く逆の治療
年配の常連さんが、「少し喉の調子が悪かったので、うがいを何度もやったら全然良くならず、仕方がないので内科の先生に行ったら、そんなにうがいをやり過ぎたら悪くなると言われ、発熱したら解熱剤を飲みなさいで終わってしまった。」と言う。以前からトローチはなめすぎると喉は悪化すると書いているが、若い方ならまだしも年配の方がうがいをやり過ぎては良いことばかりではない。そんな時はすぐに耳鼻科に行って喉を治療して頂ければ何の問題もないのに、少し治療のポイントがずれている。この仕事をしているとピント外れはよく経験する。その理由の一つに、医学界の常識が簡単に180度変わってしまうということがある。リウマチ治療は以前暖めたが、その後クライオと言って冷やす治療が出てきた。今では生物学的製剤(バイオ製剤)治療成績が良い。骨折は以前は固定だが、最近はよく動かす。脳卒中も以前は2週間は安静だったのに今はすぐに動かす。それくらい医学の進歩は早く、治療法が簡単に180度変わってしまうから怖い。これでは常に正しく理解することは不可能である。子供と大人男女でも健康法はかなり違う。子供には糖分は必要だが大人はいらない。男の子は身体を冷やして細胞分裂が盛んになり精子を一杯作る。しかし女の子は身体(卵巣・子宮)を温めなければならない。我々は学び続けることで、患者さんにトンチンカンなことを言わないように気をつけないといけないといつも感じている。