気がついたらこの仕事を35年やっていて、すっかりベテランの域に入ってしまいました。
名人まではほど遠いですが多少経験を積んだ分、新人とは違うと思います。
では何が違うかと考えてみたら、待てるかどうかだと思いました。
例えば坐骨神経痛でも捻挫の後遺症でも、長年やっていると身体の本音が分かってきます。
そして身体が今はどういう時期で、これからどう変化するかも分かってきます。
ですからこちらは一番いいタイミングで、最小限の刺激量でバッチリ決めたいわけです。
それを待てるのです。
もう少し待てば、もっとここが反応するだろう、じっと我慢だと。
しかし新人の場合は筋肉の気持ちは読めません。
筋肉の気持ちって何ですか?
こう言われるのが関の山です。
そして患者さんはすぐに楽になりたいので、○○が辛いと言われ、新人もそれに応えるように一生懸命に治療するのです。
しかしそれが間違っています。
身体が全て基準なので、患者さんの口から出た言葉だけで治療したらめちゃくちゃです。
新人にはそこが分からないのです。
ですから待てません。
我々ですともう少し時期を見てと思っていますから、患者さんに何と言われてもぶれないのです。
ここが決定的に違う所です。
そんな事を考えながら、これは子育てと似てるなぁと感じました。
毎日子供に言っていたら、うるさいと言われそうですが、時期を見ていいタイミングで言えば身にしみます。
これには時期を待つ忍耐が必要です。
治療も子育ても耐えて待って、時期が来たら一気に攻める。
それも最小限の刺激や言葉で。
何と鮮やかなことでしょう。