体は借り物と思えばいい

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「体は借り物と思えばいい」この言葉は数日前にある先生から伺った言葉ですが、その先生も何処かの経営者から聞いて覚えていたそうです。聞いた瞬間、あっと思い、今まで患者様に色々とお話しをさせて戴いてきた本質の1つがこれだと思いました。というのも考えてみれば、皆さんの体は母親からもらったものです。父親も多少関わっているかもしれませんが、十月十日、母親の子宮の中で受精卵1つから分裂して成長するわけです。では母親は遺伝子をこうするとか、ここで細胞のプログラムを変えるとか、ここに血管を新しく作るとかはやっていません。もちろんできませんが、自然に大きくなるわけです。人間が人間を作ってしまうわけです。よく考えると凄いことです。では誰がこの仕組みを考え、設計したのでしようか?自然にできたのか、神様がお考えになったのかはわかりませんが、おぎゃーっと生まれて魂が入り、人になっていくわけです。決して身体をもっている本人のものではありません。殆どは母親のもの?いや神様のもの?父親のものでないことは確かです。ですから大人になって体を酷使する場面が出てきて、うちみたいな所に世話になる場合、何とも言えない違和感を感じるのです。何を感じているとかというと、体の反乱です。体は自分の物でいくら使ってもいいという考え方ですと必ず何処かで壊れます。借り物と思えば、本だって人から借りてぞんざいには扱わないのと同じように、体だって同じです。楽をし続けろと言っているのではなく、時々身体の本音を聞いた方がいいと言っているのです。無理をするとそれなりに体はサインを出しますが、意志の強い方ですと、今はそんな事を言っていられないと言って体の要求を無視します。体はとても正直で無理した分は帳消しになりません。全て情報が残っています。よく年配の方で、若い頃は人の倍働いたという方がいますが、我々からみるとだからこういう体になったというのが本音です。おそらくそういう方には「体は借り物と思えばいい」という考え方はないと思います。壊れて少し気がつくのでしょうが、この考え方は真理だと思います。自分の体が借り物とはとても思えないと思いますが、時々体が少し辛いときに思い出していただきたいと思います。

2015年7月29日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中