意外と何とかなる

若い頃は病院や骨接ぎに勤めていて、保険治療ということもあり患者は毎日来る。
治療時間はかなり制限されるが、明日も治療できると思うと治療計画が立てやすい。
よく病院の待合で、「今日は○○さん来ないけど、どこが具合でも悪いのでは・・・。」とやっていた。
朝病院に来るのは日課で、来られないのは余程具合が悪いと患者仲間に思われている。
患者同士も毎日見る顔だから、皆顔なじみである。
そんな中、どの世界にも主がいて、新しい患者には、「あなたは知らないだろうが、この病院は・・・。」と指導している。
私はリハビリが専門だから整形や外科から回ってくる患者と毎日和気藹々とやっていた。
そんな時良く感じていたのが、「難しい患者も治療し続けると何とかなる。」ということだ。
リウマチや片足切断、脳出血に交通事故で骨折など、救急だったから色々幅広く治療していたが殆どの方が何とかなっていた。
もちろん治らない病気が沢山あることは事実だが、見ていると何となくそこそこの状態で落ちつく。
最近は難しい感染症やがん、アトピー性皮膚炎の酷い方、耳鳴りに慢性腰痛、ジストニアと昔に比べて難しい患者が多いが定期的に通っていると何とかなっている。
治るわけではないが、治療しながら少し体のバランスが悪ければ指摘するし、風邪の初期などは○○へ行きなさいとか、△△がお薦めとかやっている。
本来ならそこから悪化するのだろうが、持病を抱えながら何となく病気が暴れずにいてくれる感じである。
「継続は力なり」とよく言うが、治療にも当てはまる。
そんな時いつも感じているのは、「意外と何とかなる。」という事である。
この仕事をしているから言うわけではないが、私も年を取り、時間とお金に余裕があれば、月に2度位のメンテ治療は受けたいと思っている。
続けると悪いながらも症状は何とかなるものである。
長年の治療でそれは学んだ。

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