以前にご夫婦2人暮らしのご主人から、「家内の肝臓がんが悪くなったときにどうすればいいのかわからない。」という話が出た。もちろんご主人がそばにいればいいが、肝臓を悪くした場合は食道静脈瘤といって血を吐くことがある。大量に吐けば当然意識はもうろうとしてくるので、奥様が一人で病状を全て救急隊の方に説明できるとは限らない。そこで色々と調べてみたら、「救急医療情報キット」というものがあることがわかった。円筒で透明プラスティックの筒に自分の保険証や血液型、緊急連絡先などの情報を入れておき、それを冷蔵庫の入れておくという。この冷蔵庫というのがみそだ。全てのご家庭にあり、救急隊の方が必ず見つけられるところ。冷蔵庫とはよく考えたものだ。そして冷蔵庫に救急医療情報キットが入っていることを玄関などにシールを貼り知らせる。最近は行政でも配っているので、下記のリンクを参考にして戴きたい。
しかし実際に取り寄せてみると私が救急隊の方ならもう少し情報が欲しいという内容だった。病院勤務の時に救急病院だったので、救急隊や病院の受付の方が本人の情報をいかに知りたがっていたかを目の当たりにしていたので、当院で工夫してこれだけのことが記載されていれば、救急隊の方がどんなに楽が出来るかというものを作った。本人の病歴や飲んでいる薬、担当医やカルテ番号、緊急時の連絡先や保険証、現金まで入れるように工夫した。その書類に救急隊の方が欲しい情報は全て記載できるようになっている。病院に着いてからもその書類を見ただけで全部わかってしまう便利なものだ。
今回の震災でたとえ被災されていなくてもここ1週間ほど多くの方の身体がおかしい。特に首のこりがひどい。首のこりがひどくなると鬱病や心臓病、不眠の方は注意が必要で、今後悪化しないように薬を少し早めに飲んだり、薬の予備を医者からもらっておくよう話をしている。毎日悲惨な映像を見続け、トイレットペーパーがないのガソリンは2時間待ち、電車は止まるし、停電は起こる。放射性物質の不安はこれからも続くとなると、不安の種は尽きない。こんな時に少しでも安心材料を増やすために当院のオリジナル救急医療情報書類をご希望者に送らせて戴きたい。
「救急医療情報書類希望」とご記入下さい。
書類はエクセルかPDFの形式で送らせていただきます。
なお、携帯には送れませんのでご注意ください。