期待値が高いと不幸になる

営業をやっている若い方でストレスを抱えてくる方は多い。
話を聞くと自分の思ったとおりにいかないという。
我々ぐらいの年齢になると思った通りにならないのがこの世の中と思っているので、ストレスとは感じないがやはり若い方はそうはいかない。
何が問題か考えてみたら、「期待値の高さ」だと気がついた。
「○○になるに違いない。きっと買っていただける。納得して戴けるに違いない。」
良いことのみ考えるのは悪いことではないが、逆の結果が出た時には落ち込む。
例えば食べ物屋さんでいかにも立派で高そうなお店でだと、美味しくて当たり前と思ってしまう。
しかし食べてみて不味かったら、大変なブーイングである。
これは期待値が入る前から高くなっていることによって起こる。
しかし汚い店でそんなに美味しいはずがないと期待値を下げていれば、美味しかった時は喜びは大きい。
同じ味でも期待値の高さによって、評価が変わってしまう。
自分が難病を持っていてりっぱな大病院に初めてかかるときは、期待値がどれだけ高くなっているか想像がつく。
「こんなに立派な大学病院なのだから、原因がわかってちゃんと治してくれるに違いない。」
殆どの方がそういう期待をしているのではないだろうか。
逆のケースで紹介された病院が汚くていかにもつぶれそうだと、「こんな所で治るはずがない。」と思ってしまう。
治らなくても、「まぁ、こんなものでしょう。」となるが、予想を反して治ったときの喜びは大きい。
この期待値、上げれば上げるほど不幸を味わうことになる。
まず期待値は低いところから始め、状況に応じて高くする方が不幸を味あわないですむ。
こんな所にも幸不幸の分かれ目がある。

image_print印刷する