これはあまり一般の方にはあてはまらないと思いますが、私自身スタッフには、「病気になったら喜べ」と言っています。
理由は簡単です。
体験できるからです。
何事も味わう事が大事で、全ての病気は味わえませんが、せめてその中のいくつかだけでも体験すると見えないものが見えてきます。
昔、父が痔持ちでウォシュレットにしてから調子がいいと言っていました。
ご多分に漏れず私も痔持ちで、一番ひどい部分は以前に手術をしていただいたのですか、数年前から時々調子が悪い。
近くの外科の先生に診てもらったら、「こんなのは軟膏でいい」と言われ、ボラギノールをもらってきましたが使っていません。
使ったら治ってしまうからです。
痔をそのままにしておかないと、何が痔に悪いか調べられません。
以前は深酒が痔に良くないと思い込んでいましたから、患者にそういう指導をしていました。しかし実験して、深酒しても痔が悪化しません。
そんなある日、焼き肉を食べたら翌朝、大出血。
脂なのか香辛料なのかわからなかったので、先生に指導を戴いたら、「唐辛子が一番悪い。血中に回って傷を刺激しているようにものだ。」と言われ、納得してしまいました。
これは痔を残しておいて実験したからわかったことで、この実験をしなければ痔の患者さんに、「深酒はダメ」と言い続けたでしょう。
腰痛もそうです。
私自身何度がぎっくり腰をやっていますが、数回やっているうちに慣れっこになってしまい、最近では実験ばかりしています。
ぎっくり腰は急性の腰の筋膜の炎症ですからお風呂は薦めていません。
痛い腰を冷やす指導をしていました。
しかしお風呂で楽になったという患者さんの話や、そういう資料が増えはじめ、どちらが正解なのかわかりません。
そんなある日、うまいことぎっくり腰になったので早速実験をしました。
かなり暖めたのでこれで炎症が広がれば、立てないと思いながら、恐る恐る立ってみたらスーッと立てる。全く痛くないのです。
理由はおそらく、痛い患部は冷やしていいのでしょうが、腰の痛みをかばうために背中や肩、首に足そして腹筋までカチカチで固くなっています。
どうも回りを緩めるメリットの方が、患部を暖めてしまうデメリットより大きいのです。
痛い時はどうしても患部ばかりに目がいきますが、実際治療してみると回りの緊張を取ることがどれだけ大事かを教えてくれます。このあとすぐに、ホームページのギックリ腰は冷やせを、全て風呂で温めろに書き換えました。これなども実験したからわかったことです。
皆さんの場合は病気になっても喜ぶ必要はありませんが、一度経験したものを次に再発させないための知識は盛っていたほうがいいです。
風邪をよく引く方ならこうやれば悪化しないとか、胃腸を壊す方はここを注意すればいいとか・・・。
健康保持は失敗の上に成り立っています。