極楽浄土

年配の方でいつも痛みを訴えてくる方は多い。しかし時々痛くない時があり、まさに極楽である。人は年をとると死に対して色々と考えるようになり、少しずつ心を準備していく。これは個人的な意見だが、いつも痛みを訴えている方が痛くないときにこの世で極楽浄土を味わい、憧れるのではないだろうか。若い方は身体はいつも痛くはないので、そんな時に極楽浄土を味わえるわけがない。いつもつらい方だけが、極楽浄土を有り難く感じ、死に対して心の準備をしていく。身体がなくなるとあそこに行けるという気持ち、いっそのこと今日でもいいという気持ち、静かにお迎えを待つという気持ち、極楽浄土を描けばこそ、生きていける。年配の方達を治療しながらいつもそんな事を感じている。

 

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