我々の世界は名人と言われる方は多い。先人の先生方の著書を読むとお腹(胃腸)の治療のことばかり書いてある。一般的に鍼灸は整形外科的な関節の治療ばかりが目立つが実際はお腹(胃腸)をよく診る。私も昔は関節のことばかり考えていたが、長年やっているとお腹を治めないと関節の痛みが取れないことがわかり、最近はお腹(胃腸)の話ばかりしている。まず患者さんのお腹は大抵診てどういう状況か診断する。胃が硬いとか腸が張っているとか、ガスが溜まっているとか、触るだけで様々な情報が得られる。難しい患者さんは病院で診てもらうがそれは数からいって多くはない。少し食べ過ぎだから食事を控えてとか、腹圧が高いから繊維の物を取るといいとか、そんなに難しい指導をするわけではない。本人が自覚していないケースが殆どだから、お腹を触られてびっくりする方は多い。「お腹(胃腸)を触られてこんなに痛いとはわからなかった。これでは調子が出ないわけだ。」と納得していただけるケースは多い。長年の経験でお腹(胃腸)の治療が段々本格的になってきた。最近ではお腹(胃腸)を診ずに関節の治療はうまくいくはずがないと思っている。長い時間をかけて、諸先輩の気持ちがわかってきた。
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