以前から神経痛の痛みは一筋縄ではいかないことはわかっていた。昨日の晩、病んでも今朝楽になったり、さっきまでうずいていたのが今は楽と中々捕らえどころがない。痛みの変化は図のようにジグザグと変化をして、平均を取ると楽になるのだが、その差が激しい。若い頃よく、患者さんに「今はどうなんですか?」「昨晩は痛かったけど、今は痛くない。」「では今は大丈夫ですね。」「まあ、今は・・・。」私自身、坐骨神経痛をやったので、この患者心理は良くわかる。今は痛くないけれどもまた痛みが出る事を知っているので、先生から今はどうなのだと聞かれれば痛くないと言ってしまう。こちらも若い頃は痛いか痛くないかだけに関心を持っているが、実は神経痛は経過が大事なのである。昨晩病んだが今は楽、病んだ時間がどれだけか、痛みの強さはどの程度が、そういう経過を聞いてくれれば患者も答えやすいのだが、今は痛いのか痛くないのかだけでは返答に困ってしまう。この年になると質問の仕方一つも変わってくる。この神経痛、治療の後すぐに痛くなったり、治療中にも痛みが出る。忘れることもあるし、またいつでるかこちらもわからない。オバケみたいである。これが神経痛の特徴なので、経過を聞きながら、地道に確実に治療していくことが一番の早道である。