のんびり生きている親の幸福感

30代の方が親が定年後のんびり生きているのを見て、あまり憧れないという。しかし他の厳しく生きてきた親と比べると明らかに若いという。気持ちは分からないでもないが、そののんびり生きている親からやがて多くのことを学び、理解出来るときが来るという話をした。先日、NHKで長寿に関しての番組の中で、「本当の幸福は80才を超えてから。お年寄りに幸福度をグラフでかいて戴いたら80才から上がる。普段と同じ生活なのに幸福度は上がる。」という内容の番組をやっていた。最近は長寿遺伝子など研究が進んでいるが、80才から幸福度が上がると言われて、いくつか思い当たることがある。若い時は何々をしたから幸福とか、何を食べたとか、どこへ行ったとかが基準だが、どうもお年寄りの幸福感は生きていること自体に大きな幸福を感じているようである。朝起きてご飯を食べ、散歩や昼寝をして、夜はテレビを観て普通の生活の中に高い幸福感がある。私も数年前に父親を送ったが、以前ある方が、「オヤジは88才で亡くなったが、自分がその年に近づくともう少し生きたかったろうなぁということがわかる。他人からはもうやり尽くしたでしょうと言われても生きたいものである。」と教えて下さったことを思い出した。私もその年にならないとわからないが、高い幸福感、特別なことをしなくても感じる幸福感。こういう話を聞く度に、自分で作れないこの身体を大切にしてもらいたいと思う。何事も中庸、益々いい加減な人生に憧れてきた。

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