球技をやっている学生が、肩の痛みが取れず大会に出られないかもしれないと言う。今までそのスポーツしかやってこなかったから、目の前が真っ黒で何も考えられない気持ちは分かるが、キャプテンなので他の選手のことも気にかけなくてはならない。本人は勝ち目はないと思っているようだが、我々から見るとキャプテンの肩の痛みと勝負はあまり関係がない。実力的にはキャプテンが点を取るのだろうが、点が取れなくても戦略的に出来ることは沢山ある。確かに端から見ていて、キャプテンが見事なスマッシュで決めれば格好は良いが、攻められなければ拾って拾ってディフェンスを強くして相手のミス待ちの作戦もある。他の選手に色々と知恵を授け、点をあげない工夫で勝負は勝てる。卓球などを見ていると良くラリーが続いているが、最後凡ミスで負けている。本来球技は相手の嫌がることをする。野球でもテニスでも何でもそうである。相手チームを研究して弱点を見つけ、そこを集中的に攻める。そういう戦略を立てるのもキャプテンの仕事である。若い頃は一つのことがダメだと絶望してしまうが、長い人生の中で挫折しない人などいない。問題は挫折のあとどう切り返すかである。結構人生捨てたものではない。こんな話をしたら、キャプテンが笑顔で帰った。
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