2-3ヶ月前に腕を捻り、二の腕の後ろが痛いという方が来た。調べると橈骨神経痛である。すこし時間が経っているので、肩まで痛くて整形に行ったら、五十肩と言われたという。我々から診ると、単に橈骨神経痛の痛みが肩まで影響しただけだと思うのだが、リハがいやで来たという。調べてみると握力は右も左も20kg。ひどい方だと7kgでお茶碗を落とすが、まだこの方は筋力を維持している。橈骨神経をやってしまうと下垂手といってオバケみたいな手(うらめしや)になってしまう。こういう場合、自分の腕をぶら下げているだけでも辛いので三角巾を使う。机に座ったときなどはテーブルに手を置きたくなる。兎に角手をぶら下げていたら調子が悪い。本人も寝ている時以外は辛くて三角巾があったらと想像していたという。本には少しでも楽になるようにとテルミーという治療をしたが全く効かないという。テルミーは棒状の太い線香などを入れて行う温灸器である。坐骨神経痛が楽になったのだから、いいと思ってやったが全く効かないという。橈骨神経痛は重力で悪化するので、こういう場合は効果を上げないと思う。何と言っても手を吊って神経に必要以上に負担をかけないことである。こういう痛みの時によくヘルペスウィルスが増えて、頭痛や顎関節、肩痛みなど出るが聞いたら、扇風機にあたっていてとてもいやだったという。ヘルペスの仕業である。早速、乳酸菌と荏胡麻、そして痛くない側にゆとりを持たせる治療をして、腕の神経の反射点があるのでそこを治療したら、かなり良い感じで腕が上がる。五十肩ではなさそうである。ちょっとしたことだが、患部で何が起こっているか理解出来れば、簡単に治療法は決まるものである。
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