これは実感がある。若い頃は仕事がないとか、お金に困ったとか、恋人と喧嘩したとか、悩みの連続である。先日テレビをみていたら、若いとは悩むことなりと言っていたが、的を得ている。人は還暦近くになるとある程度ゆとりができる。時間はあるし、元気な中高年である。しかし欲しいものはないし、食べ過ぎれば医者に怒られる。行きたいところも思うように行けない。毎月海外旅行などとても出来ない。休みの日も行くところがなく、昔ならちい散歩という番組を放映したあと、同じような中高年ばかりと会った。多少の病気も治りそうにないし、新しい友達など作れない。しかし見方を変えると今まで考えていなかった死を意識する。そうなると生きている実感が若い頃より強く感じる。病気も治らないことがそんなに大問題ではなくなり、目が覚めただけで感動してしまう。すごい、今日も目が覚めた!!!こんなに幸福でいいのかなぁと思ってしまう。生き地獄ならぬ、生き極楽である。この感覚は年を取らないとわからない。おそらく人は年々幸福になるように作られているのだと思う。現実はそういかず大変な方がいることは承知しているが、仕組みとしてはあると思う。病気や死を受け入れ、共存していくときに幸福を感じるのだと思う。
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