病院勤務時代にレントゲン技師が東南アジアに行って、怪しげなマッサージを受けたという。
何をするか見ていたら10円玉みたいなコインを出して皮膚を擦り始めたという。
それもかなり強く。
数分して止めてもらおうと思ったが、断りにくくなり全身1時間半ぐらい擦られたという。
皮膚を見るとミミズ腫れ、これは大丈夫かなぁと思って翌朝まで様子を見ると、かつてないぐらい身体が軽くスッキリしていたという。
その後そういう治療を日本で探したが見つからなかったという。
我々から見ると皮膚の治療は脳を活性化する。
発生学的には脳と皮膚は外胚葉といって同じ所から派生する。
皮膚への刺激は直接脳に対して刺激しているのと同じ事である。
以前、キネシオテーピングを開発した加瀬建造先生と仲が良かったので、開発の経緯を伺ったら、「皮膚は人体最大の臓器。まだまだ未知な部分が多い。」と教えて戴いてその後気になって調べてみたが、中々皮膚を研究している学者が少ない。
皮膚の構造は分かっているが、皮膚がどういう機能を持っていて脳と繋がっているかの文献が殆どない。
結局、民間療法で皮膚刺激をしている治療から推測するしかない。
我々の行う鍼灸も皮膚を介して刺激をしている。
内臓体壁反射といって、内臓の反応点が皮膚に現れていて、そこを刺激すると内臓まで刺激が行くことを利用している。
この皮膚であるが、個人的にはとても大きなポテンシャルを持っていると考えている。
やがては触るだけでやる気が出たり、鬱病の治療や癲癇まで皮膚刺激だけでよくなる。
皮膚と脳の関係、免疫までの関係がわかれば触れるだけで治せる時代が来る。
一番身近な皮膚に大きなヒントが隠されているといつも感じている。