70代の女性が膝で整形に通っているのに、どんどん悪化しているという。脚を調べると下肢静脈瘤はあるし、足首が腫れている。話を聞くと昔、足首を折ってリハビリをせずにその後よく腫れるという。そして膝まで最近は痛く、整形で電気やヒアルロン酸、水を抜いてもらっているが一向に良くならないという。診断書を見ると、「下肢静脈瘤は保存治療」と書いてある。この程度なら何もせず様子を見ましょうと言うことだ。超音波診断では「皮下組織の肥厚」と書いてある。これは下肢静脈瘤が長引いていることを意味している。長年の血行不良だ。脚を診ると外反母趾と膝の治療どころではない。膝の治療をする前に足首の問題、下肢静脈瘤、浮腫の問題、脚のアーチ、外反母趾など前もってやらなければならないことが山積みで何も手をつけていない。これでは悪化するばかりである。本人は整形で皆同じような状態だから仕方がないと思っていたみたいだが、我々から見るとリハビリ難民である。足首と下肢静脈瘤は専門家で診てもらいその後で、我々が環流障害の治療である。本人には、「我々から診るとこの膝痛は足首に大きな棘が刺さっていて、何十年も手をつけていません。それで膝が痛くなって色々とやっているようですが、膝には棘は刺さっていません。まず足首の棘を抜く事から始めないと何も始まりません。」「どうして整形に通っているのに、そういう治療をしてくれないのでしょうか?」「基本的に整形は折れたか切れたかを治すのが目的です。後のリハビリは我々の仕事です。典型的なリハビリ難民です。」「まあ、整形で全部やっていただけると思っていました。」この種の悩みを持っている方は沢山いるのではないだろうか。まずは専門家に自分の棘の所在を明らかにして戴いて、そこにメスが入れば身体は自然に良くなっていく。
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