日舞をやっていて膝痛の方に、「あなたの膝痛は幸福ですね。」という話をした。この方は日常生活では膝痛は出ない。稽古をすると無理した分だけ出る。治療をすると楽になる。また稽古で痛くなる。この繰り返しである。最近は筋トレを始めて、少し器が拡がればもっと膝は楽になるだろう。こういう方の膝痛は楽である。我々の感覚で膝痛という方はまず熱を持っている。その熱がかなり冷やしても取れない。運動や安静時、何時痛くなるかわからない。だから安静にしたら良いのか動かしたら良いのか的確に指導できない。そして夜間にうずく。坐骨神経痛を持った方に多い症状である。体重を落とせと医者に言われているが、全然落ちない。食事が唯一の救いだと思っている。特に甘い物がやめられない。ダイエットはもう諦めている。医者で注射をしても楽になるときとそうでない時がある。だから注射を続ければ良いのか迷っている。サポーターも必ず楽になるわけではない。出ている症状がバラバラだと治療方針が決めにくい。こういう方が我々の膝痛のイメージである。現実は一つずつ詳細を聞いて対応するしかないが、日舞の方みたいに単純なら幸せな膝痛と呼んでいいと思う。
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