ヘルペスについて

患者さんの中にヘルペスウィルスがなかなか治らない方がいる。ヘルペスは免疫が下がると皮膚に湿疹を表し、酷くなると痒いのを通り越して痛くなる。場合によっては入院して数日間、抗ウィルス剤の点滴を受けなければならない。こちらとしてはどういう時にヘルペスが暴れるのか調べているが、中々つかみ所がないのが現状である。腸や冷え、ストレスがあれば悪化するのだが、必ず皮膚に反応が出るかというとそうでもない。色々と整えていい状況にしたら出ないかというとそうでもない。何ともオバケみたいである。いつ出るかわからない。患者さんには、「子供と一緒で良い環境を与えれば子育てはそれでいいかというとそうでもない。ほったらかしでいいかというとそうでもない。時に目を配らせ、時に放し飼い。時々は様子をみながらやっても子供は不満を感じるときがある。又同じ環境では子供は飽きてしまい、意外とこんな環境がいいのと親にはわからないところがある。ヘルペスも同じ。身体にはバイオリズムがあり、我々の知らないところで反応する。悪環境を続ければ皮膚に反応が出たときは悪化するが、これをやっていれば抑えられるという教科書的な答えがない。ヘルペスの様子を見ながら観察し続けて、考えて実験して、検証を続けていくしかない。」とこんな話をしたら、「子供に例えるととても解りやすい。」と言っていた。

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