腰を痛めた柔道少年が通っている。試合が近く、腰が完治していないので本人は不安が隠せない。腰を痛めていければ相手にかかってこいと言いたいだろうが、今回はそうもいかない。こんな時は戦略が必要である。相手の体調や力加減をよく観察しながら、自分の最低限の力で勝つ方法を考えなくてはならない。試合前からよく相手を見て、人はなくて七癖と言って何か特徴がある。深呼吸するタイミングとか、肩関節の回し方とか、腰を捻るときのスピードとか・・・。そして相手も100%の力を出し続け試合に臨んでいるわけではないから、何処かでパワーが落ちる。その最大限パワーが落ちたタイミングで、こちらが腰を痛めない最低限の力で勝つ。これしかない。腰を痛めたことによってより考える柔道になるわけだ。これはそのまま社会に出たときにも使える。強い会社と闘うときも真っ向勝負では勝てない。何処か1点突破みたいな戦略がないと負けてしまう。治療も同じである。手強い病気だと中々崩せない。何処か脇から狙って本丸に近づくことを考える。常に強い奴が勝つわけではない。この柔道少年、腰を痛めたことで社会学を学んでくれればいいと思う。
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