以前から胃が悪く腰の治療をしていた方が、久しぶりにぎっくり腰で来て、「今年、心筋梗塞をやってステントを入れた。」と言う。身体を診ると67kgから60kgに痩せて体幹の筋力が極端に落ちている。本人は今までと同じように胃の治療をすれば治ると思っているが、身体に全く胃炎の反応がない。ステントのあとは当然食事療法をして、胃に全く負担をかけていないだろうから、これでは胃炎の治療をしても腰は良くならない。結局、お腹全部にキネシオをして腹筋を補強しただけで、歩けるようになってしまった。体幹が弱っているので、さらしでの固定も有効であった。本人には、「お腹を補強してさらしで固定して、これだけ痩せて筋力が落ちているということです。」と説明した。この方のカルテには、「男の38才説」や「だから言ったじゃない。」「厄年 血管」と書いてある。当時何を感じて書いたのかは覚えていないが、久しぶりに来た方のカルテを見ると、こちらがドキッとしてしまう。ちなみにこの方は以前から心臓が悪いわけでもなく、特に酷い高脂血症でもなく、胸が痛くなって運ばれた救急車の中でも心電図は正常だったそうだ。病院について詳しく調べて心筋梗塞がわかったという。これでは予防は難しいが、今後は体力の回復を数ヶ月かけて行い、内臓強化、基礎体力アップ、筋力強化、腰痛予防など我々で出来ることは沢山ある。循環器は詰まったところを拡げて終わりだが、その後にやらなければいけないことは沢山ある。我々の出番である。
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