鬱病治療をしていると何かのきっかけで良くなる方は多い。心療内科だとどうしても薬物治療がメインだが、我々から見ると胃腸機能や粘膜、口腔内の問題を解決してあげればかなり治療成績が上がるのにと思ってしまう。患者さんの中にはきっかけがうまく掴めず、小康状態が続いている方は多いが、時間が長くなると焦ってくる。そんな時によく、「どうやったらきっかけを掴めるのですか?」と聞かれる。そうすると「人を変えるのは人か本しかありません。本も人が書いたものですから、結局は人です。自然を見て癒えるのであればいいですが、最終的には人です。」と答えている。人と会うのもどうしても限界があるから、結局は本である。最近はテレビ、インターネット、SNSなど媒体はあるが結局は人である。こういうことを知っているだけでも違うのではないだろうか。昔から「袖振り合うも多生の縁」というが、鬱病の問題は人と会えないことである。少し元気になって人と触れあえるようになると一気に回復する方は多い。鬱病の患者さんを見ながらいつもそんな事を感じている。
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