万全が良いとは限らない

マラソンをやっている方が坐骨神経痛や股関節痛があるのに、記録を伸ばしている。仕事柄、関節に問題のある方を診るが、万全だからといっていい成績が出るとは限らないようである。多少何処かに問題を抱え、それをかばいながら、工夫しながら、頑張らなくてはと言うぐらいの方がいい成績が出ているように思う。万全と言われれば、人間は安心してしまう。しかし何処かに問題があるとなれば緊張もするし、気も配る。そういう時に思わぬ能力が発揮されるのではないだろうか。人の人生を見ていても同じである。何の問題のない方より、大きな問題を抱えながら生きている方の方が元気である。そうなると問題があることは問題ではなく、自分の隠れた能力を発揮できない方が問題である。自分の力を発揮できないことは後悔する。問題を抱えていたおかげで出来る事は沢山ある。

image_print印刷する