職業的に右腕ばかり使う常連さんが今日は今までで1番良い。仕事が暇になったか、誰か雇ったか、何か工夫したか聞いたら、何も変化はないという。前回の治療が2ヶ月前だから、「ここ2ヶ月で何かやったと思いますが・・・。」「う~ん、手に薬を塗ったぐらいかなぁ。」「何の薬ですか?」「鎮痛薬」「それですね。バッチリ効いています。左手は今までのままですから塗っていませんね。」「塗っていません。」「右腕は今まで通り使っているのに、このこり、どこへ行ってしまったのでしょうね。」「さぁ?」「これはこりがなくなったわけではなく、どこか他の場所が辛くなっているはずです。」身体を調べたら肩甲骨と背骨の際が今まで以上に酷い。「ここに逃げましたね。僕らはこれを『ババ抜き』と言っています。薬を塗ってこりがなくなるわけではなく、移動しているだけです。特に鎮痛剤の場合は神経の興奮を伝達しなくなるので腕は楽かもしれませんが、違うところがおかしくなります。身体のバランスを考えながら少し、どうするか考えます。これは丁度毒を飲んで胃が痛くなったとき、胃の痛み止めを飲んで胃が痛くなくなってもその毒が消えないのと同じです。何処かで何かが起こります。1度受けたものは身体から消えないのです。だからむやみに鎮痛剤使用は考えものです。」こんな話をした。
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