仕事柄、首が辛いと訴えてくる方は多い。こちらは長年の経験があるのであの手この手とツボにいかに的確に刺激を入れるかを考える。しかし場合によっては患者が、「ほんのずれている。」と言われることがある。こちらもムキになって、「どうですか?今度はどうですか?」とやるが、患者は「・・・・?」となってしまう。そんな事を続けていると疲れるので、時々治療している手を左手から右手に変えるときがある。変えた途端、「それ!!!」と言われることが今まで何度かあった。こちらは疲れたから手を変えただけなのに、ドンピタとツボに入ったと言う。しかしこのツボは左手でなければ角度がダメだと思っているのに、右手に変えて良かったと言われると困ってしまう。この問題を解こうと何年もやってきたが、間違いなく言えるのは、 「神経」「筋肉」「血管」でいくら考えても答えが出ないという事だ。おそらく筋膜リリース(ファシアリリース)の考え方を使わないとダメだと思う。「神経」「筋肉」「血管」の構造の上にそれらを包み込んでいるファシア(筋膜などの結合織)の働きがあるにつがいない。そのファシア自体まだ勉強中だが、骨も含めて「神経」「筋肉」「血管」を安定的に機能的に働かせる仕組みがファシアにはあるのではないかと思っている。ここの構造と問題が解けると今まで経験的にわかって実践してきたことが体系化できる。ノーベル賞もよく、ひょんな事から受賞という話を聞くが、問題解決にはこれはかかせないものだと最近思っている。
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