死ぬまで飲む薬

常連さんがいつもの医者に、「この薬は死ぬまで飲む。」と言われてがっかりしたという。気持ちは分かるが私からすると、「治療法があって良かった。」「飲めば何とななるのだからよかった。」と思ってしまう。そこで例え話をした。歯が1本欠けたとする、放っておけば虫歯になったり、隙間が出来たり、噛み合わせがおかしくなったりするから、何か詰め物や入れ歯など新しい物を入れるだろう。その新しい物に対して、「この歯は死ぬまで入れるんですか?」とは言わないだろう。「死ぬまで飲む薬」というのは飲めば何とかなることを意味する。治療法がなくて手を打てない病気だってある中、それを飲めばある一定以上の状態は保てるわけだからこんなに有り難いことはない。理想を言えば薬を飲まずに治れば良いが、そうはいかないのであろう。そんな中、薬を飲むだけで何とかなるのだから楽である。だからがっかりするのではなく、有り難いことである。こんな話をしたら、「言われてみればそうですね。感謝します。」と言っていた。

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