仕事柄、アナウンサーと作曲者は時々診る。身体を診ていて仕事の内容がまるで違うので、作曲者は司会は出来ないといつも感じている。作曲者は色々な物を感じ、ため込み、自分の中で熟成させて曲という形にして出す。アナウンサーはある程度テンポ良く、すぐに吐き出さないと仕事にならない。全く身体の使い方が違う。先程来た方は作曲をしながら司会もしたが、大変なので止めたという。身体を診ると、クリエイティブ能力しかないので、「司会は辛かったでしょう。曲だけ書いてと言われた方が楽でしょう。」と言ったら、「そうです。」と言う。音楽番組を見ていても作曲者が司会をするケースは少ない。ただし例外が一人だけいる。さだまさしさんである。以前コンサートに行ったときも3時間の内容で曲は覚えていないが、しゃべりの内容は鮮明に覚えている。時々観客から、「まっちゃん、歌はいらない、しゃべって。」と声がかかる。さださんは以前映画製作で借金を抱え、それを返すためにコンサートをやり続けた。普通大物アーティストは1000回ぐらいが相場だそうだが、さださんは4000回こなしたという。この回数歌い続けるのは無理だそうで、それでしゃべりを磨いたら、そっちがメインになってしまったという。状況がトークを鍛えたわけだ。このしゃべりもかなりの部分は先天的だと思う。身体によって能力が違うので、職業のミスマッチの方は大変である。次回はその話を書いてみたい。
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