人の悪口

大分前、恩師に、「他人に関しては良いことのみを言い、自分に関しては駄目なところだけ言いなさい。」と指導を頂いた。やすきよ漫才のマネージャーで木村正雄さんも、「東京の笑いは『お前バカだなぁ。』と言うが、大阪は違う。『お前、アホやなぁ。わしはもっとアホや。』と言う。大阪の笑いの方が上。」と言っていた。何年か前に本田宗一郎先生が、新しい社長の就任挨拶で、「ここまで会社が大きくなるとは夢にも思わなかった。先代の社長はいい加減だった。今度の社長もいい加減。うちの会社はいい加減な奴が社長になるようになっているのだから、君達がしっかりしてくれないと危なくてしょうがない。宜しくお願いいたします。」と素晴らしい挨拶をされていた。世の中は殆どが、「自分の意見は正しくて、他人のは間違っている。」となりがちであるが、そればかりを通したらギスギスした社会になり、ストレスが溜まってしまう。やはり「他人の事は褒め、自分の足らない所を認める。」という事がつくづく真理であると思う。「他人の不幸は蜜の味」と世間では言うが、それだけでは世の中は治まらない。人の悪口一つ取っても真理が隠されていると感じている。

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