正しい治療をしても効かない訳

我々が基本的に行っている治療は物理療法である。そこで1番大事なのは「刺激の種類」と「量」である。「何処にどんな刺激をどれだけ与えるか」で決まる。治療がうまくいかないときは、治療ポイントを変えるか刺激の種類を変えるか、量-刺激量を変えるかしかない。そこが我々の腕の見せ所であるが、これが難しい。よく経験するのは「正しい治療を行っているが効かない。」である。これは「種類」は正しいが、「量」が足らない。火事で例えるならば家の中でボヤが起こり、炎がそこそこ高くなってしまった場合だ。その炎を消そうとしてコップ1杯の水をかけるのは「場所」も「種類-やり方」も正しい。足らないのは「量」だけである。バケツで10杯もかければ簡単に火が消せるのに、コップ1杯では効かない。治療も同じで正しいポイントに対して適量がある。火事の例えで言ってしまえば、多少正しポイントでなくても量だけで効くことはよくある。整形外科で注射を打ってもらう場合、薬の量が多ければ効いてしまう。常に「種類」と「量」は我々の生命線である。この2つを満たして初めて「正しい治療」と言える。

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