長年仕事をしていると、身体の一部を診ただけである程度全身症状が分かる。
その場所は、「薬指と小指の骨間」である。
以前から、「腕は自覚症状が出ない、腕が硬くなるのは『使い過ぎ』と『ストレス』」と言っている。
「使い過ぎ」でも「ストレス」でもまずは腕から硬くなり、それが酷くなってくると指まで硬くなる。
当然硬くなるのはよく使う親指から始まり、段々小指の方まで拡がってくる。
指と指の間は小さい筋肉や神経・血管が通っているから、「薬指と小指の骨間(第4-5指)」まで硬くなっているということは、もう逃げ場所がなく限界に近い事を意味する。
腕には自覚症状が出ないから、ある程度疲労が溜まった段階で気がつくことが出来ない。
まして仕事などで追われている場合など、指のことなど気にしない。
我々が、「薬指と小指の骨間」を治療すると、飛び上がって痛がる方がいるが、間違いなく限界を超えている。
そこだけで判断できるぐらい全身症状を表している。
治療は悪くなった逆をやれば良いので、まず腕をほぐす。
首肩なども治療すれば、指の激痛は簡単に治まる。
「え、さっきと同じ強さ?少し弱く揉んでいるでしょう。」と言われるが、我々は常に同じ強さでやっている。
そうしないと良くなったのか悪くなったのかわからない。
「薬指と小指の骨間」など普段自分で触る人はいないから、気がつけるわけがない。
しかし身体はちゃんと、「もう限界超えていますから、少し休ませて下さい。」とけなげに言っている。
身体にはこれ以外にも、何箇所か全身症状を表しているポイントがある。
そういうポイントの気持ちを想いながら、いつも治療している。