肩や腰の痛みで来る方は多いが、私自身、「一番辛いところは最後に治療する」ようにしている。
理由は肩なら肩の痛みの出た原因と経過を重要視しているからである。
例えば左肩や首の辛さを訴えた場合、まず反対の右腕から治療する。
右腕はパソコン病で一番やられるところで、別名、「クリック病」と言われている。
クリックのしすぎで右腕が疲れるが、腕は自覚症状を出さないので、右肩・首の痛みという症状を出す。
基本は腕と同側(右腕なら右肩)に症状は出るのだが、しかし度を超したり、時間が経っていると反対側の左肩や首に症状を出すことがよくある。
我々はこれを体験的に知っているので、左首・肩の場合はまず右腕から治療するのである。
当院に慣れていない患者さんだと、「左肩が痛いのに、この先生、右と左間違えている。」と思われがちなので、説明はかかせない。
時に左肩の場合は胃や心臓の影響を受ける。
胃炎が続いたり、すこし心臓の調子が悪い場合は、左肩関節の可動域が狭くなる。
そんな時にパソコンなどで右腕を使いすぎれば、すぐに左肩は辛くなってしまう。
こうなると左肩を治すのは、「右腕のこり」と「胃薬」である。
あくまで左肩は被害者でもし口があれば、「パソコンの使い過ぎで右腕はパンパン、左まで悪くなってしまった。おまけに食べすぎで胃炎があり、左肩の調子が悪い。こんな状況じゃ、痛みを強く出して本人に気がついてもらわないといけない。そして僕は言いたい。『僕は悪くありません。右腕と胃の影響を受けている被害者です。』と。」こんな事を言いたいであろう。
どうも世の中の治療院は左肩が辛いと言うとまずそこを治療するみたいだが、悪くなった経過を無視して治療してもまたすぐ再発するだけである。
被害者には被害者の扱い方がある。