長年不眠症で通っている超常連さんが、「最近中々来られなくて首が酷い。」と言う。調べてみると確かに首は問題で、何故こういう事が起こるのか少し詳しく説明をした。首の歪む場所から見て噛み合わせが影響していることは間違いないので、「やはりこの首のゆがみは歯医者でマウスピースを作らないと・・・。」という話をしたら、「その話は何度か聞いて知っている。自宅の近くにあれば良いのだけれども少し遠くの病院に行ってやって貰うのは少し億劫。あなたの所に少し頻繁に通うから何とかして。」「うちは歯医者じゃないし・・・。一時的に楽にするぐらいなら出来ますが、又悪くなると思いますよ。」「それで良いのよ。又通うから。」「でも最終的には噛み合わせは大事で外せない治療です。」「そうなんでしょうけど遠いとね・・・。」患者さんも80歳近くなると色々と億劫という気持ちは分かる。しかし我々からしたらやはり噛み合わせは治してもらわないと解決しない。しかし患者さんの気持ちに中に、「そんなに目くじら立てて治さなくても、少し良ければそれでいいのに。」という気持ちが芽生えてくる。まして超常連さんとなると身体を拝見して40年近く経っているのでお互いを知り尽くしている。「あなたは昔、治療の原因のばかり話をしていて、こちらは少し楽になればいいと思っていて少しずれを感じていたけど、ようやく最近は少しこなれてきたわね。あなたも年を取って変わってきたのよ。」と最近では言われる。こちらの心の中には歯医者に行かせなければという気持ちと、我々が治療して少しでも楽になればそれで良しとするかという気持ちが闘っている。もっと時間が経てば、患者が行くのが億劫だというのだから、我々が何とかするかに変わってしまうのではないかと思っている。何故か段々我々が患者の求める答えに寄り添いつつある。
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