最近は超音波診断の勉強ばかりで、今までなら肩を治すために肩関節周辺の筋肉しか診なかったのに、内蔵も肩関節の動きに関わっていることがわかり、肝臓をいじってみようという気持ちになってきた。実際問題、肝臓を揉むといってもお腹に指を突っ込んでゴリゴリいじるわけではない。
肝臓というのは横隔膜の右側のすぐ下にあり、呼吸を整えて肋骨や横隔膜の動きを改善するだけで肝臓の動きが変わる。腹筋(腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋)も関係していて、考え方としては肝臓の取り巻きの筋肉を緩めて肝臓の動きをよくするということである。色々と調べてわかったことは、「内臓の動きも関節の動きに関わっている」ということである。こう考えると今まで腰を治すために、やっていた胃腸を揉む按腹ともつながる。やがては喉を揉んで首を楽にしたり、心臓を揉んで左肩を楽にしたり、膀胱を揉んで足を楽にする治療法が考えられる。やはり身体は個別(呼吸器系、消化器系、筋骨格系など)に考えるのではなく、その場所で考える(局所解剖)の考え方が大事である。それを基本にして、全体のバランスを整えるとうまくいく。身体を調べるために細かく分類したのに、実際の治療となると細かく見ることで見落とす部分が出てくる。やがて、「今日は甲状腺を揉んでもらった不眠が良くなった。」と患者が言うようになる時代は近い。