常連さんの息子さんが鍼灸の学校に行きたいという。私が学校を卒業したのはもう今から40年近く前だから当時と事情は全く違って、当時倍率は11倍ぐらいで入学してから、「君は誰のコネで入ったの?」と聞かれ、「え、何もないです。」と答えたのを覚えている。後で分かったことだが、当時は狭き門だったので、コネだけで定員の3倍になっていたそうである。その後鍼灸関係の学校は増え続け、今では定員割れを起こして何処も生徒集めに必至である。10年ぐらい前は生徒を紹介すると金一封もらえた時代があった。地方の鍼灸学校では40人の定員に対して6人しか集まらず、閉校したところもあったと聞く。最近は鍼灸の免許を取ってもあまり食べられないとわかり学校が、「当校を卒業すると就職率75%」とやっている。我々から見ると学校は国家試験に受かればいいと思うが、そういう時代は終わった。何年か前に鍼灸大学の教授と話をしていたら、「田中君、俺悩みがあって、卒業後の生徒の開業率が極端に低い。ここは学校だから勉強を教えれば良いのだけれど、食べられないとね。」と言われた。厳しい現実である。今から考えると当時から先生方は、「これからは何か専門がいい。喘息とか目とか・・・。普通の鍼灸だけではダメ。」と指導してくれた。その後この傾向は益々強くなり、私も差別化のためにBi-Digital O-Ring Testを学んだが、出来れば「私は○○です。」と一言で言えるといい。そんな中よく思っているのは、「手の専門家」である。これは昔有名な女優さんを治療している時に、「顔や首、背中はエステで何とかなるが、手だけはどうにもならず年齢が出てしまう。」と言われ、徹子の部屋に出演されていた時にしきりに手を隠されていた。やはり気にされているんだなぁと感じた。おそらくこの手を若返らせる方法を開発すれば、世界中から女優さんは来る。私自身が美容にあまり興味がないので、これだけをやろうとは思わないが、おそらくそんなに簡単ではないだろう。手をやるかは別にしても、それくらいの差別化は必要だと息子さんに伝えてくれと話した。
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