凄い名前だが、患者にも道がある、患者のプロになれということである。今日来た患者は関節の痛みの注射をしていて、一時期より大分いい。担当の先生になんて言っているのか聞いたら、「まだ痛いんです。」と言うという。これでは患者のプロになれない。「先生が処置をして頂いたお陰で以前は2週間も良い状態が続かなかったのですが、最近は2週間経っても大丈夫なんです。これは本当に先生のおかげです。有り難いです。しかし少しだけ又痛みが出るのでそこの治療をお願いします。」と言えば、医者は「そうか。じゃそこを診てあげよう。」となる。医者も人間である。以前初めて行ったさだまさしのコンサートで歌は何を歌ったか全く覚えていないが、トークは殆ど覚えている。彼のコンサートでは歌を歌おうとすると、「まっちゃん、歌わんでもいい。しゃべって。」と声がかかるそうである。行ったときもお客さん達が常連で上手にさだまさしをのせて、2時間の予定のコンサートが3時間近くになってしまった。殆どトークである。これは「客道」と言っていい。これが正しい関係である。医者と患者も同じで、専門の先生方は自分の治療に自信を持っている。医学知識のない患者から、例え事実であっても「先生、全然効かない。」と言われてしまうと面目丸つぶれである。医者も十分分かっているが、内心良い気持ちはしない。だから患者がプロになるとさだまさしと同じ事が起こり、お互いハッピーになる。先日も膝痛の患者が来て、患部に熱を持っている。我々から診るとその熱対策をしないと膝は良くならない。しかし患者は、「これくらいなら酷くはない」という判断で、十分熱対策をしない。こちらは治療のプロなので、まずこちらの言うことを実行してみてダメなら次の手をもっている。何時までも膝の熱で引っかかっていては次の治療に行けない。患者道をお互いのために必要な心得である。
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