医者の言う「普通」

常連さんが膠原病で大学の附属病院に通っている。そこで出される薬の量も多く、普段診て戴いている先生から、「大学で診て頂いているので色々とは言えないけど、少し薬多いんじゃない。」と言われるという。付属系の先生から見ると、「うちは難病ばかりで軽い方は来ない。だからあなたぐらいの症状でこの程度の薬を飲むのは多い方ではない『普通です』。」ということなのだろう。以前病院勤務時代は今みたいにリウマチは治療法がなく、バンバンステロイドを出さなければ患者の痛みが治まらなかった。飲み過ぎれば患者の胃がやられ胃潰瘍を起こし、胃を取る方もいた。当時の先生からすると、「リウマチの痛みを止めるのは大変なのです。ステロイドで楽に過ごせるのですから、胃潰瘍ぐらいは仕方がないです。胃を取る場合もあるでしょう。このぐらいのステロイドを飲むのは『普通』です。」と言っていた。ここでも医者の言う普通は、一般からすると普通ではない。あれから医学は急速に発展して、今では昔にあんなことをやっていたのかという感がある。例え医者から「普通です」と言われても、常識の感覚が違うから私は、医者と交渉してもいいと思う。「先生、少し数値が安定しているので減薬はどうでしょうか。」とか「胃の具合が悪いです。もう少し胃薬を変えてください。」とか「日に2回の投薬を1回で試してもいいですか?」などは相談してもいいと思う。諸外国に比べ日本の患者はおとなしい。「だって先生の言いつけだから。」「あんなに偉い先生のご指示だから・・・」という気持ちは分かるが、本人の体調は本人にしかわからない。辛い症状は「もう治療法がありません」と言われるまで訴えていいと思う。

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