毎年この時期、患者さんには、「年越し蕎麦を食べたら三が日は断食。四日から少し食べ始め、正月七日には七草を食べ、八日から普通の食事」と何年も言い続けている。
殆どの方はやらないが、時々実行する人がいる。
「あなた、偉いね」と言うと、「え、インフルで発熱して食べられませんでした」という返事が返ってくる。
まぁ、何でもいいから食を控えてくれればと思ってしまう。
何時から日本ではお正月にご馳走を食べるようになってしまったのか。
昔おせちは決して子供にとってご馳走ではなく、女性がお三どんを免れるためのものであった。
ぜんざいぐらいがご馳走で、カニやしゃぶしゃぶ、甘い果物など食べられなかった。
では何故美食・過食を言うのかというとそれは、「食と運が関係している」からである。
昔江戸時代に水野南北という人相見がいた。
その方の言葉を少し引用したい。
1 運命の吉凶は食で決まる
2 粗食の者は貧相でも幸運をつかむ
3 粗食でもときに大食すれば大凶
4 食事時間が不規則な者は吉相でも凶
5 食事量が一定していれば心身健全
6 美食をつづけると消化器系の病気になる
7 子なき相でも食を慎しめば跡つぎを得る
8 小食の者には死苦や長病がない
9 肉体労働者は大食をしてもよい
10 人格は飲食の慎しみによって決まる
11 厄年に難を避ける法
12 高齢者の肉食は害が少ない
13 子供の貧相・悪相は親の責任
14 家運が尽きていても減食で再興できる
15 吉相でも碁・将棋を好む者は出世しない
16 築山・泉水のある家は衰運に向う
〈http://www.nextftp.com/tamailab/tamai/syoku.htm〉より引用
200年以上前の言葉だが、現代にもそのまま当てはまる。時代が変わっても人の胃腸は変わっていない。長年治療して食がどれだけ人の運命に影響しているかを実感している。是非今年こそ、正月に断食をお薦めしたい。