神様との謎解き

常連さんから、「先生は疲れないのですか?」と聞かれ、「もうこれぐらい長い間やっていると道楽と言うか、趣味になっている。何が楽しいのかと考えるとこの仕事は、『神様からの謎解き』といつも感じている。難しい患者が来ると、神様が『お前、この問題解けるか?』と試されているようで何とか解こうとする。解けたときの快感は格別で、それがあるから飽きずに出来るのだと思う。もちろん解けないと何日も考えたり、実験をしたり勉強したりするが、この世にある医学でここまでが限界と分かると一応それが答えとなる。そこまで調べるのは大変だか、それなりに満足感はある。だから簡単な患者が来ると眠くなる。子供が簡単なプラモを作って飽きてしまうのと一緒である。うちの常連さんは良くそのことを知っているので、『先生、もう飽きているでしょう?』と指摘されてしまう。毎回患者の身体が変化してくれるのも有り難い。患者さんには申し訳ないが、いつも意識しているのは患者さんの身体を通して出される神様からの課題である。」と答えたら、「そんな事を考えているのですか?」と少し驚かれたが事実である。

image_print印刷する