病気は単発ではない

人が亡くなるのは昔は、「脳卒中」「心臓病」「がん」の順番だった。最近は「がん」が断トツである。結局、「免疫」か「血管」の問題であることが分かる。もちろん免疫もいい状態を保てれば、血管は年齢なりになるが、糖尿病や高脂血症があるようでは血管は持たず、短命になってしまう。最近は「慢性炎症」という言葉で、寿命に関する論文が多いが、多くの方が、「病気は単発」と思っている。例えば糖尿病、少し血糖値が下がればもう良くなったと思い、血圧も下がれば治ったと良い、尿酸値も下がれば痛風治癒と思っている。我々はそういう考え方を持っていない。生まれたときの身体が真っ白で、亡くなる時の身体を真っ黒とすれば、年と共に病気とともに人の身体は黒ずんでいく。捻挫や打撲なら怪我で単発だが、血管や免疫に変わるものは連続している。血糖値が下がっただけで白にはならない。だから管理が必要なのである。先程、緑内障の方の話を書いたが、眼圧が下がればもう病気から解放されたではなく、「良い状態を保てているのだからこのまま続けよう」が大事である。時間とともに黒くなっていくことは寂しいが、たまたま効いた薬などを飲むのはそこだけ漂白剤で白くしたようなものである。常に病気は生から死に向けて連続で、病気と共に歩むものと思った方がいい。この考え方がないと、「今まで健康だったのに病気にかかってしまった。運が悪かった。」となる。我々から見たらたまた出る時期に出ただけで、多少時期の早い遅いがあるだけである。あくまで身体の中にあるものが出たか、食生活などの結果が出ただけである。常に人生は病気と道連れと思えば、多少何か病名を言われてもそんなに驚く話ではない。

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