常連さんがたまたま本の整理をしていつもは痛がらない右腰が辛いという。まずは右の太腿を診たら思いのほか硬い。太腿は自覚症状が出ないから仕方がない部分はあるが、これを診ただけで他の下半身もダメだと予想がつく。実際調べたら右よりも左側を痛がる。まさに「父ちゃん母ちゃん」の関係で、問題なのは左側で右は痛がっているだけである。話を聞いたら、「なんか調子よくて大丈夫だと思った」と言う。気持ちは分かるが我々は逆の考え方を持っている。以前、「どうせ治りっこない」というブログは書いたが、今回は「どうせ痛くなるに違いない」という考え方である。体力に自信のある方を診ていると必ず、「こんなに腰が痛くなるとは思わなかった」とか「ここまで悪化するとは考えていなかった」という話ばかりである。しかし「壊れて痛くなるに違いない」と思えば、予防もケアもする。どの程度ダメージを受けたかも気になる。何をやっても壊れない身体は羨ましいが、そんなのは大体35才までである。昔いかに鍛えた方でも気持ちと身体のギヤップはある。壊れる事を基準に考えると、「弱虫」のような気になるらしいがそうではない。自分の器と限界を知るからギリギリまで出来るのである。若い時には言いたくない言葉かもしれないが、「どうせ痛くなるに違いない」と少し思うだけで、怪我は防げる。「調子が良かったから本の整理をした」から「こんなに本を整理したら何か起こるがわからない」と考えれば今回の腰痛は防げた。
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