股関節で通っている方が調子がよかったので、少し無理をしたら痛みが出たという。今までの筋トレも出来ないし、薬も効きにくいという。これはよくある話だが、実はこういうときの対処法が大事である。本人は、「痛みの出る動きは止めて筋トレの時間を短くして、辛ければ薬を増やす」と言っているが、我々から診ると、「痛くない筋トレの時間を増やして、患部の痛みがよくなった時には今まで以上の良い環境を整えておいてもらいたい。」と思ってしまう。患者心理としては、「折角頑張って良くなったのに、少し無理しただけで痛みが出るなんて将来不安」となるだろうが、我々からすると、「完治するまでに色々と痛みが出るのは当たり前のこと。その都度筋トレを止められては完治まで長引いてしまう。悪化した時に適切に対応すれば何の問題もない。痛みが出るのははしかみたいなもので全て一過性。すぐに治るもの。慌てる必要も焦る必要もない。正しい処置をしたらそれで終わり。その痛みを乗り越える度に格段と良くなるもの。かえって楽しみにすればいい。」となる。絶望と希望ぐらい違う。どんな患者でも一筋縄には行かない。山あり谷ありで治っていく。谷があるので登れる山がある。悪化した時は、「この程度で良かった」と思うぐらいで丁度良い。
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