よく大人が子供に向かって、「人の迷惑にならなければ何をやってもいい」という言い方をするが、これは間違いだと思う。これは師匠から教わったことだが、「子供には『人の役に立て』と教えろ」と教わった。人に迷惑にならなければと教えれば何があった時に子供は、「僕は人に迷惑はかけていない」と言うだろう。迷惑にならなかったのに、何で親から怒られるのかと疑問を持つだろう。しかし「役に立て」と教えれば、「○○さんの役に立てなかった」と子供なりに反省をする。「迷惑をかけない」というのはマイナスはダメという考え方では、ゼロは合格である。しかし「役に立て」はプラスが当然で、ゼロは不合格である。教えが全く違う。我々の仕事を迷惑で考えれば、「あの患者さんにマイナスの事は何もしていない」が合格になってしまう。役に立てで考えれば、「もっと役に立てたかもしれない」が基準になる。マイナスの事をしていないというだけで患者が来るだろうか。極めて疑問である。テレビでこの、「人の迷惑にならなければ何をやってもいい」という言葉を聞く度に、毎回違和感を感じている。
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