これは以前、出版関係の社長から、「午後になると大体2-3組の方と面談する。1組の時間は大体90分と決めている。理由は簡単で、人の話は大体40-45分位でしゃべり終わる。途中でこちらが色々と言ってしまうといくらでも長くなるが、しゃべり切る時間というのは人によってそんなには違わないものである。初めは少しご挨拶をして、大体1時間過ぎたあたりから、『言い残していることはない?』と聞くと大抵はないという。その後こちらが話を要約して確認して少しアドバイスして大体15-20分。最後のその方の家族の話をして全部で90分で収まる。そうするともう次の方が来ている。」と教えて戴いた。我々もそうだが、いくら長い病状を聞いても1時間あれば終わる。人相手の仕事の場合はそんなに変わらないと思う。「先生、この腰の痛みが出たのは○○で、その時に友だちが△△して、義理の母が□□という状況で、そのがまた運が悪いことに◇◇になって、その後また・・・・・」と特に女性の話はよく脱線するが、患者は何故こういう事が起こったのか丁寧に説明をしようとしているだけである。我々はその中から病状に関する話だけ抜き取って頭で整理している。「△△に関しては□□ということでいいですか?」と聞くと、「はい、そうです。」となり、本人も少し頭がスッキリするようである。やはり世の中には暗黙のルールがあり、そのルールに則って進むと綺麗に流れる。やたらダラダラと話が長いのはおそらく相手がしゃべりきらないうちに色々と口を挟んでしまい、相手は伝わっていないと思って、別の言い方で同じ話を伝えようとしているのではないだろうか。
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