脊柱管狭窄症と言われて

これは私の話だが、ここ1ヶ月ぐらい右足の調子が悪い。太腿や脛がシビれたり痛くなったり・・・。「あ、俺も歳でヘルニアか脊柱管狭窄症か。」と思いながら、仕事のスケジュールを見たら、1週間何処も空いていなくて医者に行けない。無理矢理に予定をずらして、医者にようやく行けたのが10日後。このシビレでは手術もありうると思い、手術になっても大丈夫な病院を選んだ。診察の後、レントゲンで「腰椎すべり症と脊柱管狭窄症ですね。MRIを撮って詳しく調べましょう。」となったが、MRIの予約が2週間取れない。その間も辛いので医者からもらった神経を静める薬や漢方薬、鎮痛剤で耐えた。ヘルニアでも脊柱管狭窄症でもどんな手術をするかは仕事柄知っている。昔病院勤務時代にはヘルニアの手術は骨をパチンパチン切るので、「あんな手術なら受けたくない。」と思っていたが、最近は鏡視下で実に低侵襲だ、身体に優しい。手術の翌日にもう歩行訓練をするし、入院も4日間ほど。これならいいやと思いながら、その頃は患者心理で、「何とかこの違和感から早く解放されたい」の気持ちしかない。しかし何箇所か専門の先生の治療を受けたり、リハビリのトップの先生のご指導を頂いて、当院のスタッフに治療をしてもらっていく内に段々と足が楽になって来た。楽になると不思議なもので、患者心理から治療家の眼に変わってくる。そして今までは気にもしなかったことに目が向く。「あれ、自分が感じている症状とMRIの結果が一致しない」「腰が悪いわりには腰痛がない」「仕事中に全く辛さを感じない」とおかしなところが見えてきた。今から思うとヘルニアの患者には、「足が動かなかったり、麻痺があるならすぐに手術の対象になるが、痛みだけなら色々と治療するといいです。痛みさえ軽減すれば、手術した方と比べても結果はそんなに変わりません。」とか、「手術はしないで済むならしない方がいい。手術は最終手段」と言っていたのに、いざ自分が患うとそんな事は全く頭に浮かばない。少し楽になってから何人か専門の先生に相談したらやはり、「手術は最後だよね。」「手術は避けられるものなら・・・」という意見ばかり。以前から治療家は「病気になったら喜べ」と言っているが、今回はとてもいい機会なので、腰や股関節の体操やストレッチなど自分の身体で実験したいと思っている。ここに至るまでには何人かの患者には経過を伝えている。中には、「あら、先生が脊柱管狭窄症?うちの主人と同じ。いい病院を紹介しましょうか?」とか、「先生も歳なんだから、すこし仕事減らしたら?俺だけ診てくれればいいんだから・・・」「まあ、大変、先生大丈夫ですか?」と何故か患者は皆嬉しそうな顔をしている。「先生も我々の仲間ね」と言わんばかりである。私も少し患者の仲間入りをしたようだ。

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