結婚前の女性が不正出血があって医者に2ヶ所行ったが、いずれも問題ないと言われたが何か不安だという。詳しく話を聞いた、「不正出血がすぐに終われば良いのですが、少し続きます。大丈夫と言われても少し気になります。子宮自体は綺麗で問題ないと言われています。」気持ちは分からないでもないが、これは患者の質問力の問題である。「先生、私の不正出血少しダラダラ続きますが、今後妊娠を控えていて何か問題はないのでしょうか?また何故不正出血は起こるのでしょうか?原因を教えて下さい。また予防法などあればご指導下さい。今後どんな場面でまた診察を受ければ良いのかも教えて下さい。」と言えば、先生は丁寧に教えてくれるだろう。我々もよくやってしまうが、病気の説明をしようとすると言葉から難しい。「ホルモンにより子宮内膜の肥厚が起こり、そこにウィルス感染して・・・」何とか難しい言葉を使わずに安心させようとすると、「大丈夫です。」になってしまう。しかし患者は自分の場合、何が問題で、何故起こって、どうすれば良いのかを知らない。そこを聞けばいいのだが、中々質問しにくい感じはわかる。当然医者は専門家だから何を聞かれても答えられる。患者が理解しなければ、優しい言葉で教えてくれる。だから患者は質問力をつけなければ不安は消えない。皮肉だが、「大丈夫です。」と言われて、患者の心は大丈夫ではない。当院の常連さんには、「病院でこう言いなさい。」「ここをしっかり聞いてきなさい。」などやはり聞くにも技術は必要であるので指導している。よく子供が風邪を引いて咳が止まらない場合、子供だけで医者に行って帰って来ると、お母さんが、「先生は何と言ったの?」と聞くと、先生は「大丈夫と言った。」と答えるだろう。しかし母親が、「薬はいつまで飲むの?次回はいつ行けばいいの?咳が酷くなったらどうしたら良いの?」と矢継ぎ早に子供に質問したら、「だって先生が大丈夫と言ったもの。」となるだろう。それと同じで、そこを聞いてくれば母親は安心する。患者もただ通院するのではなく、少しずつ学びながら質問力をつけることが、自分を守ることになる。
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